• 山村型起業解説
  • 事業アイディア
  • インタビュー「先人に学ぶ」
  • 農山村の背景情報
  • お役立ち情報・技術
 

トップページ > インタビュー「先人に学ぶ」 > 川村純史さん

インタビュー「先人に学ぶ」

クラフト工房経営工房経営をどうチェックし、経営感覚をどう磨くか

川村純史さん協同組合木星会 代表理事(高知県大川村)

<製造原価と価格設定>
原価計算からは適正価格は出せない

 そこで価格設定の話が出てきます。たとえ原材料が安価に入手できたからといって、製品価格を必要以上に安くする必要はありません。原価計算により価格を決めると全然儲かりません。安く入手するために苦労したわけですから、そのままの製品価格でいいのです。そういう意味の原価計算は必要ないでしょう。

 

 価格設定について言えば、消費者が求める製品で、購入できると思う価格、それが適正価格です。デザイナーが原価計算をしていてはいけません。工房の中で原価計算するのは経理担当者だけでいいのです。
 つくり手が、自分の金銭感覚で製品を見て販売価格を決めてはいけません。
 製造コストには、原材料費、加工費、労務費、運送費、塗装代、工場の稼動費用、減価償却費などいろいろあります。それらから計算した製造原価を基に、例えば販売価格を9万円とするのではなく、9万円で買いたい人がいるから価格が9万円になるのです。そのために、9万円で利益が出るように生産するのです。価格を決めるのは基本的には市場であって、つくり手ではないことを、認識する必要があるでしょう。

 

 そんなことを頭に置きながら、原材料を求めて、市場や製材所を歩くと思わぬネタを見つけることがあるのです。用材として売り物にならない木っ端や端材、曲がり木、根株など、木工品の材料となるものがゴミとして捨ててある。そこから生み出せる商品を考えるのです。
 流通の仕組みが分かれば、簡単なことです。流通の段階を一つ省くたびに価格は安くなります。川上に近づけばそれだけ加工業であるクラフト生産者の利益になります。

▲pagetop