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森からの宅配便

森林に関わる仕事に就いてもうすぐ20年。日々の泣き笑いをご覧あれ!

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親心

 先週より引き続き、間伐に入りました。

この現場、作業は晴れの日限定・・・
という、テゴワイ急斜面。
そして私にとって初めての
個人の方が所有される山での作業となりました。


今までの様に、倒れやすい方向に
バサバサ切って行く訳にはいきません。
辺りには民家があり、道があり、お墓があり。

縁にある木は特に気を使います。
ハシゴに上って、木にワイヤーロープをかけ
チルホールと言う専門の用具を使用し
一本、一本確実な方向へ倒して行きます。
これが又重労働・・・


縁の木を終わらし、いざ中へ。
真っ暗で込み合っているのは外からでも分かる。
しかしいったい、どこから手をつけて良いのやら。
スギ、ヒノキ、雑木、竹、御丁寧にツタまでグルグル巻いてある。
まるで木のデパート

上下に分かれての作業は危険なので
一同上までよじ登り、そこからスタート。

上からスギは滑り落ちてくる
横から押さえられていた木が跳ね返ってくる
下には倒れて腐った木が抜けて、足をとられる
ピンチの連続

『中島さん、ここはどっちを向いても危険な現場じゃけ。
 そこで危険な作業をしとるんです。
 何かあったら大変じゃけ、そこで立っとって下さい。』

決して足手まといになるから邪魔だと言っているのではなく、
つい出てしまった本音。
気遣って下さる気持ちが痛い程伝わりました。

有り難う。本当に有り難うございます。
けど、そういう訳にはイカンのです!!

ヘコへコになりながら、なんとか下まで到着。
少し休憩をとった後
再び上へ登り玉切り、枝払い作業。


心身共に疲れきった16時半、
山主の方に作業終了の報告に行きました。

「ずっと気になっとった山なんよ。
 向こうまで透いて見える様になったんね。
 お疲れさんでした。
 どうも有り難うねぇ。」

と、ご夫婦共にお礼を言われ。
ついにっこり。

微力ながら、山仕事に関わる誇りと
一仕事終わらせた満足感を味わった一日でした。


      by.ナカシマ アヤ

コメント

Posted by: かなめ   [ 2008年5月28日 01:05 ]

ぼろぼろになって下山した夕刻、振り返ると朝の状態とは見違えるような山がある。


なんだか木が喜んでくれているような気がして、やめられなくなっちゃうんですよね、この商売を。

Posted by: ナカシマ アヤ   [ 2008年5月29日 21:04 ]

かなめさんへ

その感動が、明日への力と
なるのですよね。

間伐後の夕日が差し込む山を
いつまでも見ていたい気になります。

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森からの宅配便 西中国山地の山あい広島県廿日市市吉和で林業から木工まで、森林にどっぷりと浸かって抜け出せない毎日を送ってます。

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