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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

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長野でも森林税(仮称)

森林整備のための税は、今年4月現在ですでに23の県で導入されているそうです。長野県でもその検討が始まり、12日の晩に佐久で行われた県主催の集会に行ってきました。この集会は以下のスケジュールで続くとのことです。


みんなで支える森林づくり県民集会
~健全な森林づくりと新たな費用負担に関する意見交換~

月 日
時 間         場 所            収容人数
9月14日(金)
18:30 ~ 20:30 長 野 県 庁 講堂 (長野市)  300
9月18日(火)
18:30 ~ 20:30 木曽合同庁舎 講堂 (木曽町)  150
9月19日(水)
18:30 ~ 20:30 松本合同庁舎 講堂 (松本市)  250
9月21日(金)
18:30 ~ 20:30 飯田合同庁舎 講堂 (飯田市)  225
9月25日(火)
18:30 ~ 20:30 諏訪合同庁舎 講堂 (諏訪市)  150
9月26日(水)
18:30 ~ 20:30 大町合同庁舎 講堂 (大町市)  150
9月27日(木)
18:30 ~ 20:30 北信合同庁舎 講堂 (中野市)  170
9月28日(金)
18:30 ~ 20:30 上田合同庁舎 講堂 (上田市)  230

パブコメはこちら


 夕方から開催してくれるというのはありがたいことなのですが、会場に入ってみてまず気づいたのは、50人ほどの参加者のほとんどが業界関係者なのではないか、ということでした。以下、ごく私的に、メモにひろうことができた部分だけをお伝えします。

 今考えられている課税方式は県民税超過課税とのこと。30分ぐらいのパワーポイントによる説明に続き、質疑応答が行われました。


 最初のプレゼンの中に、どういう目的で、今後どのぐらい財源が不足するのかがなかったので、私から質問すると、配布資料をもとにした説明が行われました。他にも会場からは


 間伐を推進するために税を使う、と強調されると、どうも伐り捨てにばかり力が注がれるように感じる。多くの山が伐期を迎えるのだから、作業道の充実など、収穫間伐を推進するような施策に利用して欲しい。


 税を県単独で考えているが、公益的機能と言う点でたとえば流域の他県の人々にも負担してもらうことはできないのか。


 県民には、もっとわかり易い説明をする努力が必要。


などの意見が出され、その都度、主催者側からの説明がされたのですが、不思議と原則反対という意見は見当たりませんでした。また、間伐推進以外でも、森林整備に関係する用途で希望があれば出して欲しい、との主催者側からの求めに対し、


 現在進めている森林GISのいっそうの充実(県民全体での利用など)

 単に働き手ということではない、森林の様々な担い手への支援

 森林を利用した環境教育

 所有者や林業関係者以外の人々に広く感心を持ってもらうための用途
 
 木材を消費している県外の大きな需要先へのアピール

 間伐の財源が不足するのだから、間伐に特定し、他の用途は従来どおり一般財源から出すべき
 (※間伐以外の用途に使うと、林務予算はこの財源があるのだから、一般財源は使わずに独自の財源だけで運営すればよい、という論法にもなりかねない)


 という意見が出ていました。


 流域という考え方に基づき、他県の皆さんにも支出してもらっては、という意見はなかなかおもしろい試みだと思ったのですが、「現段階では難しい」との答えがあり、その理由が行政の仕組み的なものでのあきらめなのか、それとも他にあるのか、聞いてみたいなと思いました。

コメント

Posted by: 香山由人   [ 2007年9月15日 07:50 ]

私は原則賛成と言えません。
気を付けないと税金のタレ流しになり、林業・木材産業の根底を腐らせてしまいます。

財源が増えるのは悪くないことですが、同時にシステム全体を見直したほうが良いと思います。

まず働く人の単価の設定を考え直さなければ、働く人が集まりません。
間伐で扱う立木も相当大きくなってきました、伐採師がいつもでも特殊作業員で良いとは思えません。
「高性能機械」のオペレーターとチェーンソーを扱う人の、技量を比較すれば。チェーンソーの方がはるかに高度でかつ危険なのですから。


同時に優秀な設計者も養成しないとダメです。
予算消化のために意味の無い事業が増えてはなんにもなりませんから。
例えば「生活環境保全林整備」のような造園とも林業ともつかない中途半端な内容で、金ばかり使う事業は見直すべきでしょう。

てなことをもう少し詳しくパブリックコメントにも書こうと思っています。


会場に女性はどのくらいいましたか?
夕方からの開催だと、家庭の主婦が参加しにくいのも問題です。

Posted by: somakudo   [ 2007年9月15日 11:12 ]

私もこの集会に参加しました。
要さんの言うように、参加者の90%以上は林業関係者でした。
林業関係者以外で参加した奥さんの話では、
こんな集会がある事自体全然知らなかったとのことです。
最終的に木を使うのは林業関係者だけではなく、ごく普通に暮らす
市民の方々です。
長野県林務ではいろいろと頑張っているのはわかりますが、関係者だけでワイワイやっていてもただの業務をこなしているだけで、
永久に循環型なんたら なんてものは無理かと思います。
興味がない一般市民に興味を持たせる何かをしないと駄目なのでは?
県民集会となっていますが、頭に
林業関係者の…が付く県民集会でした。ちゃんちゃん。

Posted by: かなめ   [ 2007年9月15日 22:12 ]

香山さん コメントありがとうございます。

 
 私は集会後のアンケートに、悩みつつ「エイヤッ」と導入賛成にマルをつけました。最後の瞬間は、ほとんど思考を放棄していたように思います。でもやっぱり、アンケートが集計され数字が活用されることを考えると”わからない”とするのが正しい市民だったのですよね。

 香山さんのおっしゃる「林業、木材産業の腐り」が、私の骨髄にはすでに始まっているようです。

 
 反省をこめて、パブコメを書こうかな。「要間伐林分の面積の裏づけは、何ですか?」 って…。

Posted by: かなめ   [ 2007年9月15日 22:28 ]

somakudoさん 集会参加お疲れさまでした。


 もちろん、内容にも興味はありましたが、somakudoさんも私も、最初に興味を持ったのが出席者の顔ぶれだったのかな。


 関係者が圧倒的に多かったのが、何らかの戦略によるものなのか、あるいは主催者がどんなに努力しても、世間の関心のバロメーターが素直に見えているだけなのか、知りたい。


 ヘソまがりの意見に聞こえるかもしれないけれど、「参加者の人数を実績として評価する」考え方に代わる評価方法が一般的になれば、もしかすると光が差し込んでくるのかもしれませんね。

 香山さんのコメントにあった「女性の人数は」なんてのは、その点、客観性を保つ可能性があって、林業関係にはかなり意義のありそうな手法だと思います。今回はたしか4人でしたね。そのうち身内が3人。


 どこかに、そういう様々な評価手法を実施している自治体がないですかね。

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そまびとたちの奮闘記 「そまびと」とは「きこり」のこと。現代のそまびと=技能職員たちが起業し、模索しはじめました。

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