• 山村型起業解説
  • 事業アイディア
  • インタビュー「先人に学ぶ」
  • 農山村の背景情報
  • お役立ち情報・技術
 

そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

2007年12月31日

今年最後のお勤め

071231post.jpg


正月を山で過ごす人たちの安全を祈りつつ、登山者カードの回収を行ないました。「携帯電話の普及とヘリコプターによる救助技術の向上で、山で万一のことがあっても大丈夫」などと過信することは禁物です。ましてや2000m超の冬山とあっては、綿密な計画とカードの提出が生死の分かれ目になる可能性は大きいと思います。楽しい山登り人生をおくるために、皆様、カードの提出を守ってください。(せめてポストから先への入山の有無だけでも確認できるように、ポストにはたいてい白紙のカードと鉛筆が常備されています)


071231kinpou.jpg

わが川上村と山梨県境にそびえる奥秩父名峰の金峰山(きんぷさん、じもとでは「きんぽうさん」)入山口で登山者を出迎える金峰山神社一の鳥居。バックは夏の間フリークライマーのメッカとなる屋根岩(やねいわ)。冬型の気圧配置となった大晦日、奥秩父は雪雲に覆われて見えません。

2007年12月30日

暮れの餅つき

071229ueno.jpg


9の付く日は苦餅ということで、通常餅つきは行なわないそうですが、この日に恒例で行われている餅つきに参加するため、群馬県の上野村というところまで行ってきました。


 田舎でも機械の餅があたりまえになってしまい、こうした臼と杵でつく姿が年々見られなくなっています。でも村に暮す人たちはこの臼と杵でつく餅の味の良さを忘れられない…。ということで、毎年ここでは村のお年寄り家庭からの注文に合わせて都会から来たひとたちがレジャー感覚(準備する人たちはそう気楽ではありませんが)で餅をつきをしています。


 ご覧のとおり、ふた臼で常にひと臼3人体制でつき続けます。午後3時までかかり、70臼以上の餅をつきました。みなさまおつかれさまでした。 

2007年12月24日

クラフト材料を納入

071221craft1.jpg

村にある公共施設から、家族連れや子供たちが簡単にできるクラフトキットの注文があり、130セットを納品しました。このリスたちは、信州そまびとクラブオリジナルのリス(ゴジラではありません)。このように一組ずつにまとめたあと、ひとつずつ袋につめて納品しました。後ろに写っている湯のみと比ると、サイズがわかるかと思います。


 こういう材料を集めるのは、山仕事のついでだから、と簡単に考えているとひどい目にあいます。ある程度の数を、ある程度の品質で揃えるということには、それなりの手間もかかり、おまけに、木の場合には乾燥ということも考えなければいけません。今回は、納期が短く、その点でとても苦労しました。


071221craft2.jpg

上と同じく、シラカバのリスのパーツ。こちらは少し大きめ。

2007年12月17日

犬の散歩

071216dog.jpg


NPОの専従職員から独立した旨の挨拶状を送ったところ、古い友人から激励の電話がかかってきました。私が不在だったので家内が受け答えをし、会話の中で「便利屋みたいなものです」と言ったところ本当に便利屋と受け取ってもらったようで、その友人から犬の散歩のバイトを受注しました。


 自分は犬になれるかもしれないと時々感じる程度の犬好きなので、散歩はまったく苦にはなりませんが、この友人宅の犬はハンパじゃありません。と言うのも、飼い主のいない犬たちの里親探しのボランティアをしている関係で、8頭×2回の散歩をすることが日課になっているのです。


 まだ日本の田舎では、多くの場合犬はともに暮す仲間ではなく「飼う動物」です。ですから、留守宅の犬の相手をすることは田舎の起業には縁遠いことかもしれません。でも今後、団塊の皆さんが第二の故郷に流れ込んでくると、このような特技が犬たちの役に立つかもしれませんね。名刺の裏に列挙した業務内容に「犬の散歩」と書こうかなと思っています。

2007年12月15日

ノスタルジーなのかな?

071214yns1.jpg

鋸車(のこしゃ)直径1.5メートル(=60インチ) 県内にはここの他には無いそうです。


 「今は入ってこないが、昔は直径2メートルぐらいの丸太を挽いた。 今は月に200石ぐらいかな…。全部俺ひとりでやってるよ。」
全国で小規模な製材所が姿を消してゆきます。製材所がなくなると「おらちの山の木を伐って家を建てる」ということができなくなってしまう。それを憂う気持ちは、ノスタルジーではないですよね。


071214yns2.jpg

KV60の文字が見えますでしょうか。たいていの製材所では、これが43ぐらいのようです。


071214yns3.jpg

帯鋸の目立て道具もすべて一式そろえて、社長本人が目立てをします。しかも驚くべきことに、この目立てシステムが60インチ用と43インチ用の二セット揃っています。ここに並んでいる帯鋸はほんの一部! 誰か、跡取りにならないかい?

2007年12月12日

先進地事例調査

071212kosuge.jpg


山梨県の小菅村へ先進事例の調査に行ってきました。これまでに何度かお知らせしたように、小菅村では自然再生推進法に基づいて設立された多摩川源流自然再生協議会の活動が活発で、市民グループと産学官の協働によってさまざまな取組みが行なわれています。

 今回は、その中の森林再生部会の活動のひとつである、山を壊さない作業道開通までの経緯とこれからの取組みなどについて、キーパーソンのひとりである役場の課長さんに地域振興のイロハをうかがってきました。聞けば聞くほど、地域にかける実務者としての情熱が伝わってきて、本題の調査内容以上に、個人的に元気をいただいて帰ってきました。 感謝。

2007年12月10日

半日鳥を探しました

071209bw.jpg
村の図書館主催のバードウォッチングの集いでのひとこま


 風の無い冬の日が鳥見に適していることは意外と知られていませんね。
 前の晩に少し雪が舞いましたが、昨日は絶好の「お外」びより。半日歩いて19種類しか見られませんでしたが、皆さんそれなりに楽しんでいただけたようです。村の歴史に詳しい大先輩が参加してくださり、小字名や功労者のことを聞くことができたのは、私にとって何よりの収穫でした。

2007年12月 6日

作業道の勉強会

071205sagyoudou.jpg


山から木を出し易くする方法として、山を壊さないよう配慮した作業道を、なるべくお金をかけないようにたくさん入れるということがいろいろなところで試みられています。そうした試みの紹介ということで、佐久林業士会主催の作業道の勉強会がありました。


 視察現場は、昨日書き込んだ大ベテランチームの地元。しかも今回はそのベテランチームとはまったく別の動きであり、森林の所有者自身が本業の合間に自分で道を入れ、手入れをしているというではありませんか。 低迷しているカラマツ林業界にあって、何と層の厚い村なのでしょう。


 多くの地域で、山の木はあまり使われないままドンドン育っています。植えられてから40年を過ぎ、木がたくさん使われた時代ならば伐期と呼ばれる収穫時期を迎えているのですが、今のところもう一度間伐する、というのがとりあえずの戦略になっている地域が多いのではないでしょうか。そこで、世に出せる(利用できる)大きさになったものを山に捨てるのはもったいない…と言うことで、これからのことも考え、とにかく間伐した木を山から出して使うことが課題になっているわけです。


 午前中は、県の普及関係者による四万十方式と呼ばれている作業道の実例報告と、生産のための手法に関する展望をうかがい、昼食後現地に移動し、軽トラ仕様の作業道をたっぷり見せてもらいました。


 それにしても、我が家から車で30分のところにこんなに山に情熱を持った人が居たなんて…。しかもこの所有者自身も、情報面では出版物から独学するという孤立状態でした。13年目にしてようやく知った隣人の存在と合わせて、ネットワークの不足を強く感じた一日でした。

2007年12月 5日

後継者は居ねぇ

071205lift.jpg


昭和29年、この親方は山村で起業しました。通年従業員9名、年間生産量4000立米、間伐面積80ヘクタール。カラマツを、土木用材として出荷しています。使えない部分はすべてここでチップにしてパルプの原料にしますから、4000立方すべてが無駄なく使われる。


 仮に幹1立方当たり0.2tの炭素固定量だとすると、親方のチームと工場は年間800tの炭素固定に貢献していることになります。昭和3年生まれ。長さ20mはある幹材の束を、いとも簡単にトラックからすくい上げて土場に下ろし、戻ってきて私の質問にあっさりと答えました。「後継者? 後継者はいねぇ…」
  今行なっている、百年の森林づくり加速化推進事業の調査での一こまでした。

2007年12月 4日

山守塾

071201oosawa1.jpg


佐久市大沢財産区の山林をお借りして、自分で山の手入れを行いたい、という方を対象に行なわれたおおさわ山守塾(やまもりじゅく)が無事終了しました。

 12月としては穏やかな天候の二日間。一般参加者5名と大勢の地元の議員さんが参加され、間伐のための密度管理の基本や、安全なチェンソーの使い方と伐倒作業の進め方についていっしょに勉強しました。自分が持っている技能を説明する、ということは、実は自分がいちばん勉強させてもらうことになるのです。

 そして何といってもこの塾のすごいところは、地元の協力なバックアップに加え、これまで講座に参加した皆さんが裏方として食事や宿泊会場のこと一切をめんどう見てくれていることです。回を重ねるたびに新規の参加経験者が増えてゆくわけですが、その皆さんの多彩さがそのまま、次回以降のサポートメンバーの層の厚さにつながってゆきます。

 参加者の皆さん。サポートしてくださった皆さん。本当におつかれさまでした。


071201oosawa2.jpg

県の地方事務所担当官から、間伐の補助制度についての説明もしてもらいました。参加者の中には、台風で所有林の木がひっくり返ってしまい困っている方もおり、真剣に耳をかたむけていました


071201oosawa3.jpg

これまでこの講座に参加された皆さんで結成されているバックアップ部隊です。宿泊会場は大沢新田の公民館。食卓には議員さん差し入れの地酒とシカの肉も並びました。

profile

そまびとたちの奮闘記 「そまびと」とは「きこり」のこと。現代のそまびと=技能職員たちが起業し、模索しはじめました。

お知らせ

要林産のホームページ somabito.jp をどんなものにしようか、現在思案中です。なにか良い案があったら、ぜひコメントに書き込んでください

2011年4月

S M T W T F S
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリー

  • カテゴリを追加

最近のエントリー

最近のトラックバック