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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

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1億6700万円!

わが村の昨年のシカによる野菜の推定被害額。信州そまびとクラブ会報の原稿用に、役場から教えてもらったデータです。実際はこんなものじゃ済まないような気がしますが、一応オフィシャルな数字ということでお見知りおきいただき、次の数字にまいります。


 7億600万円。信濃毎日新聞に載っていた長野県がまとめた昨年度の農林業被害額です。年と年度の違いはありますが、全県の「林」まで入れてこの金額に対し、この村の被害の大きさが想像できるかと思います。


090905meeting-marugo.jpg

 野菜生産者の皆さんも「これではたまらん」ということで、これまで何度か紹介させていただいた電気牧柵に代えて、新たに集落を鉄の柵で囲ってしまおうという地域が現われました。
 今日は私が暮らす集落のその計画会議で、お手伝いをしてきました。農協の広い座敷に地図を広げ、役員の皆さんで作戦会議です。


090905barrier.jpg

 こちらが、ひと足先に設置されはじめた隣村の鉄柵。人々はこの内側で暮らすことになります。大事な作物を守るためだから仕方ないとは思うのですが、山がますます生活の場から遠ざかってゆきます。これまでのように「おっ、あそこにキノコがある」と思っても、それは所詮観賞用。寂しいことです...。

 
 寂しさのつれづれに、柵を写しに行って見られた生きものたちを紹介します。 


090905argynnini.jpg

サラシナショウマにメスグロヒョウモンのオス(ややこしい)とミドリヒョウモンのメス(たぶん)。そして中央のマルハナバチは??


090905bombus.jpg

オオマルハナバチ(私、彼らを見るのが大好きです)


090905damora.jpg

メスグロヒョウモンのメス


 夏のクライマックス。山には生命がひしめきあっていました。

コメント

Posted by: somakudo   [ 2009年9月 6日 06:11 ]

鉄柵ならば、もう草刈りの必要はありませんね。
鉄の柵だからまるで牢屋のようです。
設置もかなり大変そうですね。
多分お手伝いするのでしょうが、
頑張ってください。

Posted by: かなめ   [ 2009年9月 6日 16:46 ]

 鉄柵は電牧柵のラインに設置されますので、ご存知のとおり拙宅の裏山にも「山なんかどっか行っちまえ」とばかりに、これが張りめぐらされます。正直、村に居ることの魅力が激減ですね。
 いずれ草刈りは失業ですが、川上に居る限り、夏に職を失うことはないと思って安気してます。でも山師じゃなくなっちゃう…。かなり寂しいです。 

Posted by: ふるだぬき   [ 2009年9月 7日 16:09 ]

とうとう、人間が檻の中で生活する収容所時代の到来ですね。
人間が、有史以来痛めつけてきた、自然環境との裁判に負け、これまでに行って来た人間の悪行に対して、国民全員が「檻の中」で、「刑に服している・・・」
って事だと考えると、それも仕方ないかなあ・・・って考えたりして・・。

Posted by: かなめ   [ 2009年9月 8日 05:48 ]

ふるだぬき様
 人間が檻の中で「刑に服している」とすると、この刑はどんな重さなのでしょうね。無期?それとも終身刑?模範囚であることで望みがあれば良いのですが、後者だとすると、それを知ったら多くの人がやけくそになるかもしれませんね。それはもっと恐ろしいことです。
 鉄柵に囲まれ、山が遠くなった山村は、もう山村ではなくただの村です。模範囚に恩赦のあることを祈りつつ、いつかまた、この柵がなくなることを夢見ています。

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そまびとたちの奮闘記 「そまびと」とは「きこり」のこと。現代のそまびと=技能職員たちが起業し、模索しはじめました。

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