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大橋慶三郎 林業人生を語る

単行本技術を伝える本

大橋慶三郎 林業人生を語る

林業の本質が、言葉になった!
基本戦略、道づくり、学び、そして人こそが経営。
林業の真理が「調和」の中に。
すべての林業人に読んでほしい、真実の言葉。

著者 大橋慶三郎 著
定価 2,420円 (本体2,200円)
ISBN ISBN978-4-88138-236-3
体裁 A5判 232頁

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林業経営の成功と失敗を分けるものは、何か。これを知っておかなければ、破綻を招く誤解とは何か。
60年以上、現場で林業経営と格闘してきた大橋氏が、日々の体験を通じて本質をつかもうとしてきたすべてを語った本書に、その答えが書かれています。
タナ地形の発見、作業道づくり、適正規模、時間軸、借金林業の怖さ、現場を見る眼をどう養うか、後継者に伝える言葉など。「林業の中に生活があるのではなくて、生活の一部に林業がある」という教え。
わが山を知り、自然に逆らわず、調和を尊び、決して無理をしない、見得も張らない。身の程にあわせたやり方を貫き通すことの実践を語った、真実の本です。

聞き手
酒井秀夫(東京大学大学院森林利用学研究室教授)
佐藤宣子(九州大学大学院森林政策学分野教授)

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著者プロフィール

大橋慶三郎 著

1928(昭和3)年、大阪府大阪市生まれ。大阪府指導林家。
祖父の代に植林された千早赤阪村の山林を1949年に引き継ぐ。自ら木馬道をつくり、木馬を引き、その経験と観察をもとにして、約11年間をかけて1967年、所有林に「高密林内路網」(247m/ha)を完成させた。その路網と「生命力を重視した間伐法」によって、半世紀にわたり中間収穫を続けている。

主要目次

序 大橋山林のあらまし
第1章 大橋山の経営

施業と目標林型
 大橋山の経営内容
 育林方法
 雑草を押さえる工夫
 安全への備え
 間伐は、何年に1回?
 世間が分かるまでは伐るな
 大橋山の目標林型
 斜面下方への伐倒も
 相手の頭に残るよう、要点だけを伝える

販売と経営
 材の販売先、需要
 取引で大事なのは、値段より相手の人間性
 借地山=石撫手山を手放した判断理由とは
 3代目として、山の継承
 大橋山への視察受け入れ
 山づくりで後悔していること
 山の中にいるときの楽しみ

第2章 道づくり

ルート選定がすべての土台
 作業道づくりに必要な道具とは
 地図、写真から何を読み取るか
 タナ(棚)地形とは
 二次元の資料から三次元+時間を読む
 コンピュータによる路網設計の可能性は?
維持管理とコスト減の考え方
 道幅を広げると維持費が大幅アップ
 失敗しやすい火山灰(黒ぼく)地の道づくり
 丸太組工法
 どうやって高密路網を築いたか
 作業道の維持管理
 作業道理論に達した転機
 年1回は作業道を見回るのか

第3章 林業の基本戦略

経営が成り立つために
 林業より生活の安定が先
 金を借りてまでやるもんやない
 「山づくり林業」は、業としては成立しない
 林業経営の適正規模とは
 時間軸を考えること
 地域が生きていく道
 台風被害への備え
 風の通り道を知ることが第一
 自然災害への姿勢、考え方
山を知り、山に合わせてこそ
 シンプルが一番よい
 道に機械を合わせる
 大型機械―日本の山では可能か
 フォワーダの利点と欠点
 海洋型と大陸型
 架線型と陸送型
 戦術の転換―ローマがカルタゴに勝った理由
 大径材をどう売って行くか
 林業の魅力
 「徳は本なり、財は末なり」
 林家が泣かされないために-都会からの入林者対策

第4章 個人史―大橋慶三郎

 終戦、そして卒業の頃
 師に学んだこと
 山を継いだとき、夫婦で苦労した新婚の頃
 袋地解消問題で悩み、独学学習が進んだ
 山にも〝棚田〟を―アメリカ映画から描いた夢
 身体を張って山を守る?
 古典に学ぶ
 ノート1000頁以上の書き込み
 30にして立ち40にして迷わず
 インタビュー幕間/時間概念を経営の中に組み込むことの重要性 九州大学 佐藤宣子

第5章 自然に学ぶ

 林業必携 木の見方
 木の見方―ポイント整理
 山の風を知る
 風の通り道には、植えてはいけない
 自然林へ戻す方法

第6章 技術の追求

 ものの見方・考え方を学ぶ
 自由な発想をアイデアを生み出す 
 技術をどう体得するか
 空―ひらめきを生み出すもの
 バランスの中に美をみる―現場を観る眼をどう養うか
 理論より、まず現実を観る
 学ぼうという心が大事
 内実と外見が一致するものが美しい
 インタビュー幕間/大橋慶三郎先生の思想形成と魅力 東京大学 酒井秀夫

第7章 人こそが経営―その心を知る

他を知る
 調和こそが経営の基本ルール
 両面作戦の危うさ
 単なる利口者は、リーダーには向かない
 相棒との信頼関係を妬む者
 信用を保つことの難しさ、失うことの怖さ
 信用と人間性の見極め
 健康と人間性と知恵
 潮時の判断を邪魔する「我」
 一番の務めは、「よい時」を知ること
 機を知り、機を逃がさないこと
 欠陥は、機にとって厄
 慌てないことが肝要

己を知る
 自分に合った安らかさを
 私の欠点―本能と理性に分けたらどちらが…
 生き甲斐
 安心、そして運命

第8章 心と技を託す―後継者

技を託す
 体験して、分かること
 歴史から人間の本質を学んでほしい
 まず形にはめ、そこから独自の個性へ
 男女別ではなく、能力に応じて
 冒険拡大より堅実経営を託して
 山を継ぐ段取りに忙しい
 腹を立てて教えたら、ぶち壊し
 「愚かより大きな禍はない」
 習うものを必死になって探し続ける
 専門以外にも目を配って、絶えず仕事に役立てる

心を託す
 すべての真理が「調和」の中に
 いい想い出は捨てられない
 山を守ってゆく新たな方法
 後継者へ伝える言葉
 家族の絆
 たった一度の人生だから仕事に打ち込みたい。苦労してもいい

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定価:1,995円 (本体1,900円)

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