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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

2007年9月24日

そまびと体験

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カラマツの枝の切り方について説明しているところです


 8月17日にも紹介した、別荘敷地内の立木の伐倒などを、オーナーのみなさんに体験しながら知ってもらう講座を手伝いに行ってきました。今回の参加者は6人。参加者からは「木の重心が倒したい方向と違っている場合にはどうするのか」などの実践的な質問もあり、当然ではありますが、半日ではとても伝えきれないな、という印象を新たにしました。


 八ヶ岳高原ロッジさんでは、この後も10月7日に同種の講座を開催するほか、リピーターや、すでにチェンソー作業を実践している方対象の講座開催も考えてゆくとのことです。
 

 商売柄、どうしても話の内容が、生産を前提にした木の仕立て方に傾いてしまうので、参加者の知りたいことについて、もっと勉強する必要を感じています。また、ロッジの中では他にも様々な展示が行われており、長野県の木を使った建築や、家具の展示コーナーで、実際に木を売り込んでいる方の話をうかがうことができ、実に有意義な一日でした。

2007年9月20日

台風の被害

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9月6日に上陸した台風9号は、当地にも多くの爪あとを残しました。中でも、小諸市と軽井沢町では倒木による被害が多発し、緊急性の低い倒木は、ご覧のとおりまだ処理されないものがたくさん残っているようです。

 現地をよく見てきた人の話によると、カラマツ林は間伐の遅れていたところで、やはり被害が大きい印象を受けたとのこと。被災された方には大変に申し訳ないことですが、このようなことを繰り返さないためにも、現地が片付いたらデータを収集し、手入れの状態と被害発生の関係を分析したいものです。
 分析に際しては、森林所有者が被災者であるという点や、民有地の個人情報が必要になるという点で、少なくとも音頭とりは行政の仕事にならざるを得ないでしょう。


 カラマツ林に加え、今回はニセアカシア(ハリエンジュ)の風倒があちこちで猛威を振るいました。この事件を機に、この木の扱いについての議論が多くなることでしょう。


 ちょうど(社)日本森林技術協会の会報森林技術4月号に特集があり、この木がどのような戦略で生活しているのかが詳しく述べられています。また養蜂家にとって、いかに貴重な資源なのかも述べられており、今後、この木とどのように付き合ってゆくのかについて考えるのに、重要な資料になると思います。


 成長が早く、硬い材が採れ、しかも蜜がたくさん採れるのですから、しっかり管理したニセアカシア林業地のモデルを作ってみたいですね。

2007年9月18日

カンタン

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晩夏。カンタンの声が、一面に広がる草むらから、カーテンのようになって聞こえてきました。毎年、盆前ごろに、少しずつ聞こえ始め、だいたい今頃、大合唱になります。彼らにしてみれば最盛期なのでしょうが、これを聞くとちょっぴり寂しい気分になります。


 広辞苑を調べてみたら、”邯鄲”とありました。邯鄲の枕という中国の説話があり、人生の栄枯盛衰のはかないことのたとえなのだそうです。この虫の命も、あと何日ぐらいなのでしょう。

2007年9月15日

100年の森林づくり加速化推進事業決定

今日で3日間酒を飲んでいません。これは私にしてみると異常事態です。今夜は酒宴の席に居ましたが、やはり飲めなかった…。


 それと言うのも、8月15日に掲載した平成19年度 「100年の森林づくり」加速化推進事業の実施が決まったからです。


 いつもなら一日山で働いて、帰宅して風呂からあがって晩酌、バタンキュウ。これが気持ちいいのですが、久しぶりに脳細胞を温存したい欲求に駆られています。バイオリズムも関係しているのかもしれません。

2007年9月14日

長野でも森林税(仮称)

森林整備のための税は、今年4月現在ですでに23の県で導入されているそうです。長野県でもその検討が始まり、12日の晩に佐久で行われた県主催の集会に行ってきました。この集会は以下のスケジュールで続くとのことです。


みんなで支える森林づくり県民集会
~健全な森林づくりと新たな費用負担に関する意見交換~

月 日
時 間         場 所            収容人数
9月14日(金)
18:30 ~ 20:30 長 野 県 庁 講堂 (長野市)  300
9月18日(火)
18:30 ~ 20:30 木曽合同庁舎 講堂 (木曽町)  150
9月19日(水)
18:30 ~ 20:30 松本合同庁舎 講堂 (松本市)  250
9月21日(金)
18:30 ~ 20:30 飯田合同庁舎 講堂 (飯田市)  225
9月25日(火)
18:30 ~ 20:30 諏訪合同庁舎 講堂 (諏訪市)  150
9月26日(水)
18:30 ~ 20:30 大町合同庁舎 講堂 (大町市)  150
9月27日(木)
18:30 ~ 20:30 北信合同庁舎 講堂 (中野市)  170
9月28日(金)
18:30 ~ 20:30 上田合同庁舎 講堂 (上田市)  230

パブコメはこちら


 夕方から開催してくれるというのはありがたいことなのですが、会場に入ってみてまず気づいたのは、50人ほどの参加者のほとんどが業界関係者なのではないか、ということでした。以下、ごく私的に、メモにひろうことができた部分だけをお伝えします。

 今考えられている課税方式は県民税超過課税とのこと。30分ぐらいのパワーポイントによる説明に続き、質疑応答が行われました。


 最初のプレゼンの中に、どういう目的で、今後どのぐらい財源が不足するのかがなかったので、私から質問すると、配布資料をもとにした説明が行われました。他にも会場からは


 間伐を推進するために税を使う、と強調されると、どうも伐り捨てにばかり力が注がれるように感じる。多くの山が伐期を迎えるのだから、作業道の充実など、収穫間伐を推進するような施策に利用して欲しい。


 税を県単独で考えているが、公益的機能と言う点でたとえば流域の他県の人々にも負担してもらうことはできないのか。


 県民には、もっとわかり易い説明をする努力が必要。


などの意見が出され、その都度、主催者側からの説明がされたのですが、不思議と原則反対という意見は見当たりませんでした。また、間伐推進以外でも、森林整備に関係する用途で希望があれば出して欲しい、との主催者側からの求めに対し、


 現在進めている森林GISのいっそうの充実(県民全体での利用など)

 単に働き手ということではない、森林の様々な担い手への支援

 森林を利用した環境教育

 所有者や林業関係者以外の人々に広く感心を持ってもらうための用途
 
 木材を消費している県外の大きな需要先へのアピール

 間伐の財源が不足するのだから、間伐に特定し、他の用途は従来どおり一般財源から出すべき
 (※間伐以外の用途に使うと、林務予算はこの財源があるのだから、一般財源は使わずに独自の財源だけで運営すればよい、という論法にもなりかねない)


 という意見が出ていました。


 流域という考え方に基づき、他県の皆さんにも支出してもらっては、という意見はなかなかおもしろい試みだと思ったのですが、「現段階では難しい」との答えがあり、その理由が行政の仕組み的なものでのあきらめなのか、それとも他にあるのか、聞いてみたいなと思いました。

2007年9月12日

放鳥

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リハビリ中だったシロハラミズナギドリを静岡の海に放鳥しました


 9月7日、村のデイサービスの担当者が、駐車場で鳥を拾ったと連絡してきました。図鑑で確認すると、日本では小笠原などで繁殖しているとされるシロハラミズナギドリ。いわゆるバリバリの海鳥です。恐らくは台風9号に巻き込まれここまで運ばれてきたのでしょう。

 引き取った当初はグッタリしていて、目もつぶったままでした。村のスーパーで餌になりそうなワカサギを買い、さっそく地方事務所の担当部署に連絡をとり、獣医さんに目の診療もお願いしました。幸い目は無事なようなので、野生復帰めざし保護飼育にとりかかりました。


 いつもあることではないので、信濃毎日新聞社に電話をし昨日(11日)の朝刊で扱ってもらいました。狙いはただひとつ、「野生生物の保護飼養というものがあるのだ」ということをもっと広く一般に知ってもらうためです。野生状態からの脱落は、彼らにとってたとえ命はあっても「死」を意味しているのかもしれません。ですから、このような保護は、極端に言ってしまえば、やっているものの自己満足なのかもしれません。でもなぜか、一人でも多く、野生生物の豊富な地域で傷病鳥獣救護の仲間が増えることを私は願っています。


 今回のシロハラミズナギドリは餌を自力で食べなかったので難儀しましたが、強制給餌が功を奏したのか体力は順調に回復し、昨日朝、三保の松原から元気に旅立ってゆきました。
 台風には用心しろよ。

2007年9月10日

ハチ刺され…その後

6日に書き込んだ右手のハチ刺され。今回は今まで経験しなかった反応が見られました。結論から言うと「私もそろそろヤバいのかな」という症状です。

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 この画像は7日撮影です。刺されてから48時間経過していますが、痒くなりはじめ、少し腫れています。以前はこんなことはなかったのですが、もしかすると「コップがあふれる」状態のはじまりなのかもしれません。


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私が常用している毒の吸引装置。ズィ・エキストラクタと書かれています。見た目はおもちゃっぽいですが、これが実に高性能で、ハチはもちろん、ブヨにやられた時にも効果絶大です。エキストラクターで検索すると売っているところがわかります。これほど効果のある道具で、3000円でお釣りは、絶対に高くない!

 ハチ毒は何度も刺されると危険だと聞きます。また、ハチの種類により毒のタンパク質が異なるため、アレルギー反応もハチの種類ごとに異なるそうです。と言うことは、私の場合はクロスズメバチに特にご用心、ということでしょうか。


 実はハチ刺されはバカにできない労働災害で、毎年何人かの方がアナフィラキシーショックで命を落としています。そこで、数年前から、医師の処方があれば対処療法的にこのショックを脱するエピネフリンという薬品の自動注射を購入できるようになりました。今年の秋の抗体検査では、今回の症状があったことを医師に相談してみるつもりです。

2007年9月 9日

山守塾は延期です

いまだに、関東を直撃した今回の台風による被害の報道が続いてます。被災された方の不安や恐怖、ご不自由はとても想像できるものではありません。ただただ、一日も早い復興をお祈りするばかりです。


 この8日と9日に開催予定だった「おおさわ山守塾」は、災害復旧に配慮し、延期となりました。新たな日程が決まりましたら、またこのサイトでもお知らせしたいと思います。


 今回の被害は、長野県内の東信地方と呼ばれている地域、中でも、小諸、佐久、御代田、軽井沢といったところで、風によって倒れた木(風倒木:ふうとうぼく)による停電や道路封鎖の被害が多発したと、地方紙に詳細に報道されています。そして、被害が出始めた早い時期に、軽井沢で倒木に頭を打って亡くなった方の事故の経緯が、実は風倒木を処理作業中の事故であったことが、昨日の信濃毎日新聞に掲載されました。被災者は林業関係の仕事を経験されていた70代の男性でした。お気の毒としか言いようがなく、かつ、同業の大先輩の事故ということで、とても人事とは思えません。亡くなった方の冥福を祈りつつ、同種の作業では、いっそう気を引き締めてかかることを自分に言い聞かせています。

2007年9月 6日

ハチ刺され

今年は極端にハチの巣が少なく油断していたら、やられてしまいました。相手は、中部地方の人々に食用として絶大な人気のあるクロスズメバチ。電気牧柵の横に、ドッジボールぐらいの巣があったのを見落とし、草刈機で直撃したらしく、巣は真っ二つ。ハチがおとなしかったので、幸い左手の第二指一箇所を刺されただけで許してもらえました。


 刺された腹いせに、ガソリンをぶっ掛けて巣を燃やしてしまう人も居ますが、私はとてもそんな気持ちにはなれません。なぜなら、このことで受けた痛手は、私のよりも彼らの方が計り知れないほど大きいのです。しかも、個体数の少ない年の被害は、地域のクロスズメバチ個体群全体にとっても大きな影響をあたえているに違いありません。

 
 そうは言っても、こちらも場合によっては命に係わる事故ですから、危険域から脱出と同時に吸引機で毒を吸出し(水を持っていればたっぷり洗い流し)、抗ヒスタミン軟膏をたっぷりすり込みました。刺されてから治療終了まで約1分。このスピードが重要です。人によってはこのあと血圧が下がり、視界が真っ暗になるなどのショック状態に至ることもあると聞きます。ですから、ガツガツせずに腰を下ろし楽な姿勢でしばらく休みます。


 8月3日のアシナガバチに続き今期2回目のハチ刺され。彼らはこれから刺激に敏感になるので、まだまだ刺される可能性があります。シーズンが終わったら、ちゃんと抗体検査を受けないとだめかな…。

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赤い点が刺された箇所。クロスズメは、私の場合、吸引をすると30分程度で痛みはなくなります。一晩寝て起きた今は、少し痒いです


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草刈機の一撃により無残に破壊された巣。ハチたちは、まだ皆巣にしがみついていますが、台風が接近する中、再建できるのでしょうか

2007年9月 3日

山守塾(やまもりじゅく)の準備

今年からスタートするおおさわ山守塾。今日はその実習予定地の除伐と、スタッフによる最終打合せが行われました。会場は、いつもお世話になっている佐久市大沢にある大沢財産区所有林。
 この山守塾は、山仕事や山の見方を学びたいという一般の方を対象に、信州そまびとクラブのメンバーが林分密度の調べ方や、安全なチェンソー作業などについて説明する講座です。


 当日は、財産区議員の皆さんや、県職員の皆さん力もお借りして、夜はもちろんお勉強の他に、参加者の親睦を深める行事も用意されています。そして1泊2日の間、全員の食事のめんどうを見てくれるのは、愉快な山仕事講座という、これまでここ大沢で行われてきた講座の同窓生のみなさんです。


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画像ではわかりにくいですが、除伐後の林内の様子です。実習当日、山仕事に慣れていない参加者でも容易に林内で作業できるように、あらかじめ下層の木や草を刈りはらいます


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準備作業の都合で、実習担当、炊事担当、相互に顔を合わせての打合せを現場で行いました

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そまびとたちの奮闘記 「そまびと」とは「きこり」のこと。現代のそまびと=技能職員たちが起業し、模索しはじめました。

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要林産のホームページ somabito.jp をどんなものにしようか、現在思案中です。なにか良い案があったら、ぜひコメントに書き込んでください

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