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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

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能率アップの強力な援軍

チェンソーは刃物ですので、一定時間使用するとその切れ味は落ちてきます。また、土や石、金属などに刃が触ってしまうと、その刃は砥がなければ使い物になりません。砥ぐ作業には棒ヤスリを使うのですが、刃(ソーチェーンと言います)の砥ぎたい部分そのものの固定ができなかったため、理想の目立ては「理論上のもの」と言ってもよいくらい高度なものでした。


 長野県千曲市にお住まいの北川原弘さんは、長いあいだ誰にでも簡単に理想の目立てができる工具の開発を続けてこられ、画像のような目立て器を完成させました。従来品にはできなかったリンク部分の固定が、この装置で確実かつスピーディーに行うことができるということで、取材に同行する形で見せてもらいました(何の取材かは、これからのお楽しみです)。

 

090709metate1.jpg

 画像右の黒いハンドルを回すことで、刃が簡単に固定されてビクともしなくなります。この状態で、下の画像のように棒ヤスリを治具にまかせて動かすだけで、規格どおりの刃ができあがるという仕組みです。刃を上から固定しているので、上歯にも確実にヤスリがあたります。


090709metate2.jpg

 

090709metate3.jpg

 丸太で切れ味を試したところ、この目立て器の威力を実感しました。丁度何年か前に造材の現場でとっさに師匠のチェエンソーを使わせてもらったとき、「そうか、チェンソーとはこんなに楽に木を伐ることができるのか」と驚かされたことを思い出しました。 ...と言うか、自分のチェンソーがいかに伐れていないかということを、つきつけられた感覚です。
 この巨大な治具を、山に持ち上げることはできませんが、作業場に置いて日頃のメンテに使ったり、何よりもチェンソーを使う機会が少なく、目立てになじむ事ができない多くのチェンソーユーザーには必需品と言ってよいものだと思いました。きっと、丸太を切ることが楽しくなりますよ。

 

090709metate4.jpg

開発にふりむけた情熱の証。膨大な試作パーツの一部です

コメント

Posted by: 山村起業編集部   [ 2009年7月10日 13:18 ]

山村起業編集部です。

北川原さんの目立て器をアップしていただき、ありがとうございました。
プロの視点からの突っ込みとても勉強になりました。……と、取材に同行していたのがバレバレですが。

北川原さんの長年の創意工夫が、ようやくこの秋商品化されるようで何よりと思っています。
販売が始まったら情報発信をよろしくお願いします。

Posted by: かなめ   [ 2009年7月11日 06:57 ]

 遠方への取材、お疲れさまでした。
 私も、この目立て器が販売されるのが楽しみです。治具が大きいので、おそらく薪や自宅付近の山仕事などでチェンソー作業をする人たちが最大のユーザー層になるでしょうから、もしかすると「奥山で仕事をする人のものよりも、里で仕事をする人のチェンソーの方が良く切れる」という社会現象が起こるかもしれません。
 なんとか、利用しているところの動画をサイトにあげたいですね。
 それから、チェンソーを日常的に使わない人には、目立ての終わった刃を見ただけでは、目立て前の刃との違いがわからない人がいるので、やはりその手で切れ味の変化を実感してもらうことが一番です。
 人に説明する際、ルーペを使ってメッキの取れた刃先を見てもらったりもするので、そういう画像をサイトにあげるのも良いかもしれません。

Posted by: チェンソーズ   [ 2009年7月23日 20:32 ]

先日はいろいろとお世話になりありがとうございました。この機械がこないだ話されていた最強目立て機ですね!
ぜひ、動画で見てみたいです!よろしくお願いします。
山でチェンソーを使う僕も本当に切れるような目立てができるのであれば(疑うわけではありませんが…)、石や針金を切って痛んだソーチェンの復活に使いたいですね。
また何か面白い情報があれば、ぜひ教えてください。
よろしくお願いします。

Posted by: かなめ   [ 2009年7月24日 06:25 ]

チェンソーズさま
 こちらこそ、先日はお世話になりました。遅くまでおつきあいいただき、すみません。
「これはいかんな」と思いつつも、ついつい燃料が入ると話し込んでしまいます。迷惑を
おかけしました。こんどは奥多摩の古民家を襲撃させてください。
 やはりこの種のものは動画がないといけませんね。私はネットの普及に追いつけない
状態なので、どこかで払拭したいと思ってはいるのですが、どうも静止画像と活字の
レベルで足踏みです。
 可搬性には少々劣るところがありますが、確かに、修正に時間のかかりそうな刃を
正常な段階にするには、この目立て機は強力な助っ人(と言うか、たぶん主役でしょう)
になること間違いなしです。画像もさることながら、プロの皆さんが体験できる場が
増えることも大切ですね。

Posted by: キマル   [ 2009年12月13日 08:53 ]

目立て装置の開発者です。

動画ができましたので、クイックしてみてください。
http://www.youtube.com/user/yamamaru1#p/a/u/0/ifgQNPlxJeQ
今後とも、皆様の御指導をお願いいたします。コメントをお待ちしています。

Posted by: かなめ   [ 2009年12月14日 06:37 ]

キマルさま
 動画アップロードの連絡をありがとうございます。早速拝見
いたしました。
 道具と技vol1に掲載された、この目立て装置の記事を見て、
早速購入したい、という方から連絡がありました。販売体制に
入られたようなので、どうぞ購入方法、定価などをお知らせください。
あらためて、youtubeのURLなども含めて、このブログでも紹介を
させていただきたく存じます。

Posted by: KIMARU   [ 2009年12月14日 20:03 ]

かなめ様
動画の拝見ありがとうございます。
5動画をアップロードしてあります。
ソーチェンの弛んでいるのは、プロセッサーの刃です。
キマルは、ヤスリ交換で全規格が適合。
販売は、道具と技の63pの問い合わせでお願いを致します。販売記念においしいリンゴ12kgをプレゼント(2月末まで)とします。http://www.rinsaibou.or.jp/cont04/items94/pdf/20frontier_press.pdfもご覧下さい。
北村工業がキマルを製造しております。

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そまびとたちの奮闘記 「そまびと」とは「きこり」のこと。現代のそまびと=技能職員たちが起業し、模索しはじめました。

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