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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

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枯枝が無事完了

 

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20日にお伝えした現場の枯枝除去が、無事に完了しました。ボロボロと砕け落ちそうな長くて太い枯枝、皆さんだったらどのように除去しますか。本来ならばリギングというやり方で、枝全体をロープで包むように保持してから、高い支点から吊り下げるようにしてカットし、静かに下ろすのですが、その道具も、技術も、人手もない要林産です。先端から40センチくらいずつに刻み、ポコポコと投げ下ろす方法をとりました。


 それを行うためには、枯枝に触れない状態で、先端部分に自由に接近する必要があります。
 高い位置に2箇所の支点を設けて、両方からロープを下げ、それにぶら下がることで横方向には空中を自由に移動可能になります。次に、もう一本のロープを木の幹から水平に自分につなげることで、枝との距離が調節可能になります。


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 師匠に言ったところ「危険な方法」と一喝され、必要があれば手伝いに行くとまで言ってもらえたのですが、あえてひとりでやってみることにしました。
 師匠の指摘は正しく、リギングで処理すればチェンソーを使うのは、自分を安定した幹に固定した状態で、回数も最低の3回で済みますが、私のとった方法では、空中でロープまみれになった状態で、何度もチェンソーを回さなければならず、危険はその分何十倍にも増大することになります。


 凄まじい暑さの中、慎重に慎重に、「慌てれば、ろくなことにはならない」と自分に言い聞かせての5日間でした。
 8月1日のお墓参りにはぎりぎりセーフ。お施主さんも喜んでくれたのですが、どうやら喜びの半分は作業が終わったことよりも、私が生きていたことの方にあったようです。墓地に眠る皆様、たいへんお騒がせして失礼しました。


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 いつも使うトップハンドルでは出力不足のため、39ccを使いました。ハンドルについている黄色いベルトは、チェンソー専用のストラップ(Break-away Chainsaw Strap)です。ロープなどでチェンソーと作業者を結び付けてしまうと、急激な刃の食われなどで、伐った幹ともども作業者が落とされる可能性があります。そんな時のために、ある程度(250ポンドですから、100キロちょっと)の力がかかると、ちょん切れる設計になっています。

コメント

Posted by: ヨシミ   [ 2010年7月28日 22:39 ]

かなめさん、暑い中、お疲れ様でした!
木口のミスマッチカットの跡が、作業の大変さを物語っていますね~。
私も経験がありますが、一人での樹上作業は、地上作業の何倍も疲れ、猫の手も借りたい気分になりますよね。
今度お会いした際に、一人でもできる安全なリギング作業の方法をいくつかご紹介します!本当はチームで行うのが効率的かつ安全なんですが…。

Posted by: かなめ   [ 2010年7月29日 05:44 ]

ヨシミさん! なんと師匠に読まれてしまいましたか(汗)
 ご心配をおかけしてすみませんでした。
 ”チームで行うもの”という大原則を、守らないことの危険性。それ以上に、一人でやっていること自体を、こうして発信することにも、計り知れない危険が潜んでいますよね。掲載してから、今更ながら反省しております。
 個人的な問題ですが、一度に多くの情報を処理できない頭ゆえ、これまでリギングについて考えるゆとりがなかったというのが正直なところです。俯瞰すれば本末転倒ですが、先日お世話になったトップカット研修と今回の実践で、ようやく次の地平が見えてきたように思います。
 まだヨチヨチ歩きですが、どうぞよろしくお願いいたします。

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そまびとたちの奮闘記 「そまびと」とは「きこり」のこと。現代のそまびと=技能職員たちが起業し、模索しはじめました。

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