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森からの宅配便

森林に関わる仕事に就いてもうすぐ20年。日々の泣き笑いをご覧あれ!

2010年9月28日

『ワシにも、教えてください。』

 9月より主伐が始まっています。
" 熟練作業員2名+一年生1名 " の深瀬班担当。
もう・・・出るわ、出るわ(笑)
主伐とはいえ、毎日の搬出量が半端ないっ!
・・・さすがっ!!の一言です。
主伐で出た木は全て事務所前にある土場に持ち帰り
選別を行っています。
3m、4m、2m・・・品質で行き先、8通りに選別。
アタマに入ってしまえばナンテ事ないのですが。
まだ大変。

そういえば一年前。
フォークリフトの運転にホント悩まされたなぁ〜
もうイライラしっぱなしだった。
今ではフォーク仕事、大好きなのに(笑)
今年はゴトゥ担当。
今日は初日だったから、
ワタシにヤァヤァ言われっぱなしだったけど
きっと、すぐ慣れる。
そんなゴトゥを右目で見ながら、一年生と材の見分け方のお勉強。
『不良材』というタナがあり、
そこに分けられた材の原因と
その材をどうすれば(どう切れば)活かせるか?を考えます。

すると、

 『ワシにも、教えて下さい。』

振り向くと、熟練作業員の I さん。
一瞬、耳を疑いました。
コノ道何十年の I さんに『教える。』だなんて!

 『ワシらは、量を出す事は出来ます。
  ただ、どんな質の材がどんなトコへ行くのか知りません。
  ワシにも、教えて下さい。』

キャリアも、年齢も関係なく
自分の疑問に思うコトを『教えて下さい。』と聞ける事。
当たり前のようですが、なんだかスゴイことの様に感じました。
今のワタシは、まだまだ教わる事ばかりですが
今後、人に教える立場となったときも
このココロを大切に持ちたいと強く思いました。

 『じゃぁ、この4mは3mに落とした方が良いですね?』
 『この曲がりを外したら、直材が取れたかもしれませんねぇ〜』
 『このシミだと、どこ行きになりますか?』

暗くなるまで話しは続きました。
そして沢山、教わりました。


        by、ナカシマ アヤ



 


2010年9月23日

子供がえり

 小さい頃、トカゲが好きでした。
トカちゃん、トカちゃん・・・と庭のトカゲを追い回してたなぁ。
犬が飼いたくてしょうがない時期があって、
リードを付けて散歩さすことに憧れ
捕まえたトカゲにヒモをつけて散歩させていたそうな(苦笑)

!!!トカゲッ、大迷惑!!!

でも、いつの間にか興味は薄れ
気付けばトカゲに触れるなんてもっての他。
何よりあのスピードで動くトカゲをよく捕まえていたなぁ・・と。
あぁ、これが大人になるってコトかなぁ〜
って、センチメンタルな想いを(ちぃと違う?)

先日、新設作業道の測量に入りました。
生憎の小雨模様・・・ジメジメいやなお天気。
と、そこに。出たんです。ヤツが(笑)
ノソ...ノソ...と面倒くさそうにボテボテ目の前を歩く!

 『どんびきやぁ〜〜!!!』

以前にも書いたかもしれませんが、ワタシどんびき好きなんです。
ははは。
あのふてぶてしさがなんとも言えない。
ツンツンしても決して飛ぼうとしない。
う〜ん、素敵。
たまらず駆け寄ってみる。
純粋に、触れてみたい衝動にかられました。
タイミング良く、軽バンに手袋を忘れて素手(笑)
気付けばどんびき、両手の中。
もっとふにゃ・・・ってしているかと思いきや
意外にホネボネしい、逞しい体つきでした。
あぁ、なんか無性に懐かしい。
子供時代に感じた『手の中の生命』
なんだか、今更やけどドキドキする。
このどんびき、しばし大人しくブラ〜ンと身を任せてくれました。
が、堪り兼ねたのか

 『・・・クエッ↓・・・』

そのカラダからは想像出来ない、
可愛らしい、蚊の鳴くような声を出したのです。
思わず笑ってしまいました。

 『はいはい、有り難うね。』

そう言って、斜面に戻してやると
何事も無かったかの様にボテボテ去って行きました。

 後日聞いた話しですが、どんびきは攻撃を受けると
背中からシル(毒)を出すそうです。
皮膚につくとカブレを起こし、目に入ると大変な事になると。
・・・知らなかった。

今後も愛をもって、どんびきとの交流を深めて行きたいものです。


      by、ナカシマ アヤ

2010年9月17日

ダンプ兄弟

P9160001.jpg
 左がイスズさん。右がタイタン君。
イスズさんがちょっとお姉さんですが
2台共20年選手です。勿論、未だガンガン現役。

作業道、荒堀が終わると2台で砕石・砂を運びます。
別に焦らされているワケではないのに
なぜか追いつ追われつの追いかけっこになってきます。

 『君ら3000回転までふかしてないか?』

社長からご指摘を受け、ハタと気付く。

 『そんな運転してると10年もつエンジンが
  7年しかもたんぞ。ここで飛ばしても1分、2分違う位じゃ。
  それより、車に負荷をかけない、
  道を痛めない運転をした方がいい。』

・・・確かに、そう。
ダンプさん、上りでプゥオ〜〜〜ン!!!って
乗用車ではあり得ないエンジン音してたなぁ。
勝手に『ダンプってこんなモン』って思い込んでた。
・・・反省。
土道走る時もスピード出せばドンドン掘れてゆく。
運ぶ砂の量にも要注意。
何台も何台も運ぶので、ついつい載せる量が増えてきます。
重くなれば、作設中の道が沈みやすくなり
又戻って修復作業の手間が増えるだけ。
今、どんな土が必要で(石多め?砂多め?)
どれ位の量が適当か。
運搬マシーン化するのでなく、
やはり、常に視野を広く・・・だなぁ。
実際、スピードをゆるめ、余裕をもった走行を心掛けると
一日の疲れ方が全く違います。

 『ようやくオマエら気付いたかっ!!』

きっと、ダンプ兄弟はボヤいています・・・


       by、ナカシマ アヤ


2010年9月13日

研修にてモノおもふ ③

 ハーベスター造材。
確かに早い。けど、このツメ後はなんとかならんのか?
恐らく材の掴み方や造材の仕方で大分変わるハズ、とは思います。
この痛々しさと引き換えに、50㎥/日搬出なのか・・・
えっと、まてよ。そもそも

 『そんなに木材需要があるのかな?』

・・・。
えぇ、" それを言っちゃぁ〜おしまいよ〜 "ですよね(苦笑)
材価が安い、量を出さなきゃお金にならない、量を出す、
・・・とすると、さらに材価が下がるのでは!?
すこぶる素人考えなのですが、そう感じてなりません。

取引先からの注文材以外は木材事業共同組合に出しています。
径級、品質によって値段が異なるので
価格表で確認しながらの造材作業ですが
3m・4m材、出したその後の姿を
どうやらワタシは考えていません。
いったい、どういった需要があるのだろう?
なんとなく "・・・建築材?" としか言えないなぁ。
恥ずかしい話しですが。

 ❶『ここは将来どんな山にしてゆきたいかなぁ?』
→(今ある)この機械とこの機械どう動かすかなぁ?
→道をつける?架線を張る?どうやって出そうかなぁ?
結果☆どのような質の材がどれ位搬出出来ました!

その逆向きの流れ。

 ❷『今市場ではどのような材の需要が多いのかなぁ?』
→その材を効率よく提供するにはどのような搬出方法がよいかなぁ?
→じゃあ、どんな機械をどの様に組み合わせて使用するかなぁ?
結果☆その機械を使用するなら、こんな地形の山が最適です!

 今までワタシの意識は100%  ❶ に偏っていました。
けど、オキャクサマ(市場)が欲しいモノ(材)を考えずして
闇雲にあるもの全て、オリャッて並べても・・・ねぇ?

とってもお買い得な超bigサイズのフライパン。
とりあえず買ってみるか。
一度に目玉焼きが100個焼ける!すごい!!
オムレツ・スクランプルエッグ・・・ゆで卵もいいな。
みんなの好みを聞いて作ってみた。
意外に家庭用サイズのフライパンでもまかなえるやん。
ソレも林業。コレも林業。

 でも思う。
冷めた目玉焼きを原価ワレで売り捌くコトだけはしたくないと。


       by、ナカシマ アヤ

2010年9月10日

研修にてモノおもふ ②

 今週は高性能林業機械を使用しての実習。
おなじみスイングヤーダー、ハーベスター、フォワーダー三兄弟。
一年目、この林業機械を初めて見た時とにかく心ときめいた。

 『スゴイ!日本の山奥で、こんなドデカイ機械達が
  走り回って活躍してるんだ!!』

と。ただ、今年はちょっとアタマを捻る・・・

 『本当に、この三兄弟が必要なのかな?』

勿論、普段乗れない機械が体験出来
ワイヤーの張り方など実習出来るのは大きなチャンス。
でも、伐倒しましたー引きましたー造材しましたー運びましたー
の同行程では、ちょっと味気ない。

たまたま今回の現場、しっかり作業道が上下に通っています。
それならば、道に届いている伐倒木はグラップルで掴んで
届かない材はスイングヤーダーで引いて・・・
まてよ、せっかくロングアームリーチが付いてるんだから・・・
など、色々な集材方法を試してみたくなります(笑)
これ、普段は別々の事業体で働く者達が一班で動くんだから
自分の想像出来なかったアイディアがきっと沢山出るに違いない。

お・・・もっとオモシロイコト思いついた。
少しでもいいから、班ごとに施業区域を与えられ
使用機械、搬出方法を考えて
簡単な搬出経費、材価をたたき出して
実際に売上げを競ってみるというのはどうでしょう?

 『うちんとこ、ハーベスター使って
  ガンガン、量出しとるけんね〜。』

 『うちは機械経費抑えて、材価の高い直材にこだわって
  手造材で出したもんね〜。』

・・・なんて感じで。
施業後、とっても濃い反省会が出来そうだなぁ。
まぁ、各班ごとって、どんなけ重機を準備せんといけんのか?
という大きな問題がありますが(苦笑)
ははは。

 そんなアタマがう〜んって唸る研修!
あったらオモシロイのになぁ〜(笑)

P9030062.jpg
              (アイスプライス研修中・・・)


      by、ナカシマ アヤ

2010年9月 8日

研修にてモノおもふ ①

 研修weekに突入しています。
先週は風倒木・被害木の作業を行うにあたっての座学。
実際に起きた事故事例(12項目)を元に

 『何が原因だったか?』

 『どうすれば良かったのか?』

班ごとに分かれ話し合いました。
2年目、3年目の現場人。
出て来るわ・・・出て来るわ・・・
経験が浅いことで起きてしまった "ヒヤリ、ハット"
経験を積むことで起きてしまった "ヒヤリ、ハット"

どの事例を読んでも文字にしてしまえば、

 『なんでこんなコトしたかね?』

って言いたくなる事例ばかりでしたが
もし、これが作業終了直前の出来事だったら?
後一歩が重いクタクタな状態で、現場が急斜面だったら?

 『まぁ、いいか。きっと大丈夫だろう。』

という "思い込み" で
一手間省いた行動をしてしまわないだろうか?
最終的に行き着く答えはソコでした。

P9020061.jpg
 『オレはこないだ・・・』

いつしか話題は実体験の "ヒヤリ、ハット" 話し。
・・・え"〜!?・・・というスッ飛んだ話しから、
・・・うん。それワタシもある・・・という話しまで。
起きてしまった事故(事例)に対して
色々な方向から原因を探ることは、とっても大事。
でも、事前にその事故が起き揺るかもしれないと
予知出来ることが、もっと大事。
経験と、第六感と、
自分を冷静な目で見張れる第二の自分と。


       by、ナカシマ アヤ

2010年9月 1日

9月ですね。

 いやはや、ついに9月になりましたか。
例年なら『やっと涼しゅ〜なったねぇ〜。』
と、いう時期なのですが・・・あぢ〜、あぢ〜よぉ・・・(涙)
そして雨が降りませんね。
ぼちぼち夕立が来てたのですが、
短時間にダァ〜って局地的に降るパターン。
『今年の夏野菜はよぉ〜ない。』
と、ジイ様方はぼやいております。
ワタシは例年通り、夏野菜の追い込みが激しい残暑です。


 キリキリ舞いの作業道も、なんとか出口が見えて来ました。
出張・会議以外の日は、社長も現場へ出て下さり
8月、かなり追い込みました。
5月・6月、あんなに乾かなかった土が
ウソのようにドンドンしまってゆきます。
ナイス!夏の日差し。
やっぱ土イジリは夏のモノなんだなぁ〜。
作業道担当のゴトゥ、かなり腕を上げとります。
音で分かる。
慣れれば、慣れる程、重機の動きは柔らかく
静かになるものです。

 『デカイ根株掘る時、ようやく腕に力が入らなくなった。』

と言ってました・・・よく分かる(苦笑)
つい最近まで、太い・大物の材を引き出そうとする時は
レバーを持つ腕に思い切り力が入っていました。
なにも自分の力で引っ張ってるワケじゃないのにねぇ〜。

P8260059.jpg
9月、10月、研修が続きます。
そんなこんなでバタバタ過ごしていると
気が付けば又、雪に埋もれているのでしょうか・・・(笑)
その前にガッツリ搬出しなくては。
注文材もボチボチ入って来るはず。
あぁ、主伐もはじまるなぁ〜。忙しくなるぞ!

 海にも川にも行かない夏でしたが、アツい夏でした。


        by、ナカシマ アヤ

         

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森からの宅配便 西中国山地の山あい広島県廿日市市吉和で林業から木工まで、森林にどっぷりと浸かって抜け出せない毎日を送ってます。

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