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森からの宅配便

森林に関わる仕事に就いてもうすぐ20年。日々の泣き笑いをご覧あれ!

2008年8月29日

めぐり逢えたら・・・

 アナタの話、度々耳にしていました。
 アナタの気配、近くに感じた事もありました。
 アナタの爪痕、しっかり木に刻み込まれていました。

 いつか、いつかお目にかかるだろうと思っていましたが
 こんなに早く、その日が来るだなんて。


ついに、クマが出ました。
出ました、と言うか通り過ぎました。


 今期残りの施行地、来年の予定施行地などを
社長、同期の研修生と共に車で見て回っていました。
クネクネ山道を下っていると
突然、黒いモノが視界に飛び込んで来ました。


『クマじゃ!!』


え!?まさか・・・と目を疑いましたが、そのまさかです。
クマは道を横断し、険しい斜面をヒョイヒョイ登って行きます。
車の存在に気付いたのか、時折こちらを振り返りながら。
まだ大人とは言えない、中クマ位の体格です。
こちらは車内に居るもんだから、
サファリパークに居るかの如く、
ついつい愛くるしく思ってしまいました。

まぁ、しかし。
山中で突然ゴッチンしたら・・・やはり恐ろしいでしょう。


 午後の休憩時、早速熟練作業員の方に報告しました。


『実際見て、クマがおる事が分かったら安心したじゃろう。』


なんとも妙な言い方ですが、
正しく、私の心境をピタリと言い当てられました。


        by、ナカシマ アヤ

2008年8月27日

わすれもの

 なんでだろうか・・・と自分でも呆れますが
度々、お弁当のお箸を忘れます。
恐らく一ヶ月に3回は。


 本日も。 
まぁ、そう慌てる事はない。
辺りには材料が沢山あるのですから。
(そう思っているから忘れるのかっ!!)
いつもの様に

『確かにリュックに入れたはずやけどなぁ・・・』

とブツクサ言いながら
ヒノキの枝でお箸造りをしていました。


 私がこそこそ削る姿を見つけ

『なんだアヤさん。まぁた、箸忘れたのかぁ!?』

『違いますよぉ。ナタの切れ味をみているだけです。』


 そんな返しは受け止められず。


『岡田よ。(一緒に働く緑の雇用一年生。私の同期です。)
 帰りにスーパー寄って割り箸一ケース買って来いや。
 こうも忘れるんじゃったら
 車にケースごと積んどりゃぁええわ。』


う〜ん。それは良い考えかも・・・と密かに思ってしまいました。
そんなやり取りを見て、
いつも笑わせてくれる熟練作業員 I さんが一言。


『そんな事よりナカシマさん。
 はよぉ、毎朝かばんに箸を入れてくれるムコをもらわにぁ。』


皆、大爆笑。
・・・そういう解決策があったんですね。


       by、ナカシマ アヤ

 

 

2008年8月25日

山林を所有するという事

 本日の仕事は山林調査。


『もう何年も行けてない山ですが、
 どうなっているのか、写真だけでも見たいものです。』


そんな御依頼がありました。
地番と所有者様のお名前を照らし合わせ
出て来た場所は・・・ナルホドかなりの奥地。
しかし!聞いたからには行くしかない。
社長と共に現地へ向かいました。


 この山には国土調査という杭が打ってあります。
この杭には一つ一つに番号がふってあります。
それを一つ一つ見つけては印をして歩き(得意のピンクテープです)
所有されている土地を確定してゆきます。

 
 これがナカナカ容易ではない。


谷境・尾根境、植生・林齢の違いなど
境界がハッキリしている所では杭の居所の予測が付くのですが
植生も同じ、林齢も同じ。
だけどどこかで区切られている・・・
そんな土地では下ばかり見て歩く事になります。
土の上、少しだけ覗く(勿論埋もれてる場合もあります)
4cm×4cmの杭を見つけるわけですから。


 無事御依頼の土地を見つける事が出来、写真にも収めました。
社長の判断により、間伐を行った方が良いとの事で
山主さんへお話に伺いました。


『遠い上に急斜面じゃけ、到底私が行く事は出来ません。
 もう捨てた気でおりました。
 正直、こんな奥の山ですから
 私が死んだら、後の者が面倒みるとは思えないのです。
 ここで手入れしてどうなるものかと考えますが、
 出来るならば、お願いします。
 おじいさんと一緒に植えて
 大切に手入れしてきた山なのですから。』


 ゆっくりと、一言一言噛み締めるように
そう、おっしゃいました。


 ただとにかく、今現在の山の状態を改善してゆく事に
気を取られていた私には衝撃の言葉でした。


 ”山主の方に黒字で返せる山造りを”


 社長が常日頃から言われている言葉です。
山は、堂々と受け継がれてゆくものであって欲しい。
心から、そう思いました。


       by、ナカシマ アヤ

2008年8月20日

おたくのチェーンソー

『おたくのチェーンソー、
 エンジンかかりにくくありませんか?』


本日、二度他の方にチェーンソーをお貸しして
二度共言われました。


『ん・・・そうですかねぇ?』


私がかけると、いつも通り一度でかかる。
力ではなく”クセ”の様なものがあるのでしょうか。


『おたくのチェーンソーじゃけ
 おたくの言う事聞くなら、せやぁないです。』


 なんだか妙に嬉しい一言。


チェーンソーを持ち出した当初、
とにかく恐ろしい機械でしかありませんでした。
勿論今でも、恐ろしい。
でも、それ以上に愛着もあります。
毎日の仕事での大切なパートナー。
少しずつですが、手に伝わる振動とエンジン音で
何を言わんとしているのか理解出来る様になってきました。


ガソリンがないのか。オイルが上手く出ていないのか。
刃が木に対して垂直にあたっていないのか。
はたまた、目立てが上達しない刃に呆れているのか(笑)


しかし、こちらがこんだけ愛しても
ちょっと油断すると、すかさず噛み付いてきます。

両想いになる為には
まだまだ時間が必要のようです。


     by、ナカシマ アヤ

2008年8月18日

女はみんな生きている

 すっかり吉和人。


・・・の様な顔をして毎日を過ごしていますが
実は月に一度神戸へ帰っています。
ここだけのお話(笑)
目的は友達に会うため。


 待ちに待ったお盆休み。
会いたい人が沢山、沢山、居ます。
中でもピカ一なのが、この5名。

P8140629.jpg


高校二年生の時からの付き合いです。
卒業後、皆バラバラの大学に進学しました。
にも関わらず、毎月一度必ず集います。
もう10年近いお付き合いになるんです。


大学時代
サークル話、進路の悩み、恋話。

卒業後
仕事の話、上司の愚痴、先輩の話、彼氏の話。

現在
仕事の話、後輩の話、上司の話、結婚話、妊娠話!


 時代と共にお題もどんどん変化してゆきます。
年末には”母”が誕生します。
6人6様の生き方。
皆、とにかく自分の道に真っすぐ向き合い進んでいます。


良く笑い、良く食べ、良く飲み(?)、良くしゃべる。
一ヶ月分の気力をここで養います。
吉和だって陸続き。


『又、来月ね!!』


必ず、そう言って手を振ります。


         by、ナカシマ アヤ

2008年8月13日

ピンクテープ疑惑

 今日から新しい現場です。


『施行地はこないだナカシマさんと歩いてるけぇ
 何かあれば彼女に聞いて下さい。』


と、社長の一言。


・・・まじで・・・!?


確かに、確かに歩きましたよ。
しかし一ヶ月ホド前のお話。
きちんと私、山の境界線を覚えているだろうか・・・?
まぁ待てよ。
境界には印のピンクテープを巻いて歩いたじゃないか。
されど、不安。かなり、不安。
どうか ”何か” ありませんように。
祈る気持ちで現場へ向かいました。


 そして ”何か” は作業開始10分で発生しました。


『アヤさん、尾根の向こうじゃけど
 急に樹齢が変わっとるトコがあるんじゃ。
 境の印はもっと先なんじゃがイイんよのぉ?』


え・・・そんな所あったっけ???


 急いで尾根へ登り確認に行きました。

確かに。
急に木が小さくなり、植生もヒノキからスギへと変わっています。
頼みのピンクテープはそこを超えた先に見えてます。


『あってると思いますよ。』


そう言いかけて、慌てて言葉を飲み込みました。
”思いますよ。”・・・ではいけない。
”そうです。”っていう100%の自信がなければ。
万が一、他の所有者の山であれば
取り返しのつかない事になってしまう。


 結局、社長に連絡を入れて事情を話し
図面を持って来て頂く事になり、
午前はその問題の箇所以外の施行にあたりました。


山を歩いていると本当に沢山の情報が目に飛び込みます。

 スギ、ヒノキ、ザツ、ササ、
 川、谷、尾根、道、岩、鉄塔 etc...

今、自分に一番必要な情報は何なのか。
次に施行を行う上で、どの情報をインプットしなければいけないのか。


まだまだその整理整頓が出来ていないようです。


      by.ナカシマ アヤ


 

2008年8月10日

夏味、夏色、夏時間

 トマトが好きです。

夏野菜の中でも一等賞。
散々辺りに宣伝した甲斐あって、
シーズンの今、毎日のように誰かが届けてくれます。


朝起きて、トマト
現場の休憩時間に、トマト
自宅に帰って、トマト
夜、小腹が減って、トマト
勿論、三食、トマト
トマト、トマト、トマト・・・

この一ヶ月で100個以上食している事でしょう。
だけど、好きなんです。

勿論、採りたてを生で頂くのが一番ですが、
火を通した物も好きです。


先日のハチ騒動で
在庫管理を怠った為、溢れんばかりの量となり
今日はトマトソース作り。

吉和産のニンニク、吉和産のタマネギ、吉和産のトマト
ALL 吉和産
ALL 頂きもの
スバラシイ! 


おまけで作ったプチトマトのピクルスも
容器の中に50個程入っています。
しかし、まだ台所のカゴの中に出番待ちのモノ達が
今か今かと手に取られるのを待ち構えています。

明日は何を作ろうか・・・


P8100627.jpg


吉和の夏を彩る、ヒマワリ。
満開です。


休耕田を利用した、辺り一面のヒマワリ。
5月、種蒔きに班長と参加しました。
広さが広さだけに、
一粒一粒丁寧に植え付けるなんてトンデモナイ。
バラ蒔いて、足で軽く土を被せて、バラ蒔いて・・・
まさしく『種蒔き』


正直、こんな蒔き方で芽が出るのか!?
と疑っていましたが、

・・・見事です


P8100623.jpg


     by.ナカシマ アヤ

2008年8月 7日

ドラえもんの手

 恐れていた、ハチの襲撃にあいました。


先週から、毎日の様にハチ被害報告話を聞いていたので
ソロソロ来るかと、覚悟はしてましたが。
午前、左手一ヶ所。午後、右手二ヶ所。
パンパンに膨れて、まんまるの手になっています。
まるでドラえもん。


 熱い、痛い、かゆい、かゆい・・・


致命傷となるハチでなかったので
山の中で騒いだ所で仕方ないと、仕事を続けました。
神戸の街中で刺されたら大騒ぎしそうですけど(笑)


仕事後、私の手を見て
サラっと一言。


『わしらは、刺されてもチクッとするだけで
 腫れる事はないけぇねぇ。3日もすりゃ、治るじゃろ。』


・・・さすが。
私の皮膚がそうなるまでに何年かかるやら。


 しかし、かゆいっかゆいっかゆいっ!!


      by、ナカシマ アヤ

2008年8月 6日

勝負の夏

新規林業従事者にとって、


 夏場の下刈作業を乗り切る事が出来るのか・・・


が、大きな山場となります。
この時期、志しを断念される方が少なくないとも聞きました。
身をもって体感しております。


 とにかく・・・キツイ!!
逃げも隠れも出来ぬ、炎天下の中
私の胸の高さまで伸びた草の中から
私の膝まで届かない高さの幼木を探し出し、
その幼木だけを残して刈り進んで行きます。

1.8m 間隔に植えられているとはいえ、
慣れない私は、かなり集中して発掘しなければ
見つかりません。


噎せ返るような熱気
開始から30分経たぬうちに、
大粒の汗がボタボタ流れ落ちてきます。
キックバックの度に走る肩への痛み
スムーズに動かない指の関節
服の上からでも攻撃してくるアブやブト
巣の回りをクルクル飛び回る蜂
よじ登っても、よじ登ってもズルズル落ちる岩場


さすがの私も


『はぁ・・・・・・・・・・』


と弱気なため息が出てしまいます。


なのに、なのに、
ここからが不思議な所なのですが
作業を終えて、山を下り振り返ります。
てんやわんや生い茂っていた斜面の中から
幼木達が姿を現し、綺麗に等間隔に並んでるではないですか!!
感激を通り越し、感動します。

あんなにしぼんでいた心がムムムム!!っと膨れ上がり

『さぁ、次はどこよっ?』

と、刈り払い機に燃料入れ、準備万端の私がいます。


本当に不思議
まんまと林業の魅力に踊らされている様です。


      by.ナカシマ アヤ

2008年8月 4日

ルームメイト募集

 最近カレの姿が見えません。

行って来ます!ただいま!を言う相手だったのに・・・
ちょっと寂しい。


うちの玄関に、いつ頃からか居着いてた
スパイダーマン

家の中でも色々な小虫達が飛び回っているので
エサの確保には不自由なかった事でしょう。


 ところが3日程前、外出したっきり戻って来ない。
カレのお家にエサがかかっているというのに。
探せるものなら探したい気分ですが、そうもいかん。


 引っ越しの季節だったのでしょうか。
都会に暮らす皆様には大変言いにくい事なのですが、
実は吉和、8月に入り朝晩の気温がグっと下がりました。
夜は窓を閉めて寝る位。


そういえば、虫の鳴き声も変わってきた。
家の中を飛ぶ虫に、新顔が加わってきた。


『吉和じゃ、お盆過ぎたら長袖じゃよぉ。』


て、言っていたガススタのおじさん。
ウソだぁ〜!!って笑い飛ばしたけど、ウソじゃないかも。


 私の知らない所で
着々と秋の準備が行われているようです。


     by.ナカシマ アヤ

2008年8月 1日

フォークリフト

しばらくブログをお休みしていると

 ついに炎天下の現場作業に力尽きたか・・・

と、安否確認のメールが何通か参りました。
が、私はすこぶる元気です(笑)


 月曜日から4日間
フォークリフト資格取得の為、教習所通いをしていました。

林業に関わる重機の資格は色々あります。
正直、余り機械類に興味が持てず
必要に迫られ。資格を取得してきましたが
フォークリフトは別口。
なぜだか、憧れがありました。


 学科8時間、実技25時間、計33時間の講習。
10名1グループが基本ですが、今回の受講者は3名。
ナカナカ愉快なメンバーで濃密な4日間でした(笑)

 なんせ都会は暑かった・・・
コンクリートの照り返しの中
朦朧とする意識で
荷物の上げ・下ろし、前進・バックを繰り返していると
いったい今、自分はどうしたかったのかド忘れてしまい
ウロウロさまよう事度々。

前輪駆動、後輪かじ取り。
キュルっキュルっ小回りがきいて
アワワワしながらも、3日乗れば要領をつかみます。


 しかし、手軽さゆえに事故が多いのも事実。
指差し呼称、安全確認を守り
淑女的な走行を心掛けたいものです。

P8010618.jpg


      by.ナカシマ アヤ

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森からの宅配便 西中国山地の山あい広島県廿日市市吉和で林業から木工まで、森林にどっぷりと浸かって抜け出せない毎日を送ってます。

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