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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

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ギターの材料

先日、日頃からお世話になっている人たちに村に来ていただき、夜通し話しをする機会がありました。林業関係の人が多く、せっかく仕事ではない用件でお呼びしたのだからと、「木へん」の付かない話題探しに趣味のことなどをたずねてみました。するとある方から「バンドをやってます」とのお答え。私も学生時代に夢中だったので、ひとしきりジャンルのことや担当楽器のことで盛り上がったのですが、テーマはいつの間にやらギターの材料、つまり結局は木のことに…。


 仕事がら、国産材の使われ方に詳しいその方いわく「ギターには、まだ国産材が使われていないのではないか」とのことです。ちなみに前回お伝えした私が新調したギターの仕様を見てみると


 グレッグベネット製アコースティックギター(たぶん made in china)
 使用材
 ボディトップ: シトカスプルース単板
 ボディサイド&バック: ローズウッド単板
 ネック: マホガニー
 指板: ローズウッド

と、外国産木材の展示会のような内容です。不勉強な私には、これらがどんな木でどこからやって来るのか見当もつきません。おまけに製造工程まで海外です。


 スノーボードでは地元産のカラマツを意識的に利用しているメーカーがあり、ユーザーの側にも国産の材料を使うことに一種のステイタスを見出す流れが出来上がっているそうです。また、オーディオでも積極的に信州のカラマツを使っているメーカーがあります。そんなこんなで、とにかく楽器づくりをしている人たちに、国産材のことをアピールできないかという話題になりつつ、その議論がどこに落ち着いたかはあまり記憶がありません。
 いずれにしても、たとえば今回の私のギターを、材料は外国製でも、せめて国内の工房でと考えると、価格は一気に20万円近いものになります。ですから材料も国産でとなると、いったいどのくらいの価格のものが出来上がるのか、一度楽器製造をしている方と話をしてみたいものです。

コメント

Posted by: DGZ   [ 2008年9月30日 22:24 ]

失礼します!

http://planetransfer.com/ogawaworks/profile.html

ここの方や
他にも国産材を使おうという動きは少ないながらもあります。

アコースティックなら、K,Yairiも割と積極的です。

Posted by: かなめ   [ 2008年10月 7日 06:12 ]

DGZさん
 せっかく書き込みをいただきながら、長いこと返信さしあげずにおりました。申し訳ありません。
 貴重な情報をありがとうございます。国産材のギター、実際に販売されているのですね。シナ、カツラ、ケヤキ、カキなどが利用可能とのことで、嬉しいことです。当然ながら、これは施業にも影響することではないかと考えています。
 また情報がありましたら、ぜひ教えてくださるようお願いします。

Posted by: マツモト   [ 2010年10月10日 15:43 ]

失礼します。
とても興味深い内容だったため書き込みさせてもらいます。
自分は信州にて楽器製造メーカーに勤めています。
確かな情報という訳ではありませんが60~80年代辺りまでは国産メーカーではシナやセン、ポプラなどの国産材が安く手に入ったため流用していたようです。ただ、日本人の外国への憧れからか大手海外メーカーと同じの仕様表記に偽っていたという話です。
現在では国産材は高価なため難しいようです。
ですが、コメントでもありますように国産材にこだわっているメーカーも少なからずいます。
自分自身、会社にいて外国材を日本で加工して国内外に出荷していく…
そのことにジレンマのようなものを感じている日々です。
「日本の材で、日本人による、日本人のためのギター創り」がしたく自身の工房を建てたいと考えています。
来年25歳、若気のいたりかもしれませんがそんな夢を抱いている中このようなお話が聞けてうれしいです。

長文失礼しました。

Posted by: かなめ   [ 2010年10月14日 06:44 ]

マツモトさま
 コメントをありがとうございます。返信が遅くなり、申し訳ありません。
 マツモトさまの夢をうかがい、山の者として勇気百倍です。ぜひ、これを機につながって、情報交換などをお願いいたします。「日本の材で、日本人による、日本人のためのギター創り」、楽しみにしています。

 
 楽器のことを考えていて、森組で働いていた時に大きなイタヤカエデを伐り捨てたことを思い出しました。道沿いで、機械をあげていれば集材できる条件でしたが、そういう計画ではなく、ただ沢に転がしただけで終わりました。径80センチ以上、元玉で3mはありました。実にもったいないことです


 ところでコメントの「セン」とはハリギリのことでしょうか。当地では時々25センチくらいまで太ったものを目にしますが、楽器に使うとなるとどのくらいの太さが必要になるのでしょうか。

Posted by: マツモト   [ 2010年10月30日 13:04 ]

返信が遅くなって申し訳ありません。
まだまだ先の話ではありますが、応援していただき嬉しいです!

イタヤカエデですか。もったいないですね…
イタヤカエデは楽器材としてはあまり向いていないという噂がありました。理由はわからないです…
ただ最近では昔は良くないと言われてきた材が実はとてもいい材だったなんてこともあります。
例に挙げるなら「バスウッド」というシナノキ属の材は昔、安い楽器に使われる安い材と言われて悪いイメージを持たれていましたが、実際は加工性もよく材の組織が均一なため癖がないようです。なので作り手のイメージしたギターが作りやすいという話でした。

そうですね、センはハリギリの通称になります。
楽器に使える材の寸法はアイチ木材様の製材寸法を参考にしてみてください。
http://www.aimokukakou.jp/grade_size.html

Posted by: かなめ   [ 2010年10月31日 09:12 ]

マツモトさま
 昔は良くないと言われていた材が、実は良い材、という話、大変興味深いことです。
 おそらくは、何かのきっかけで古くに言われていた、あるひとつの事象がスタンダード化している、という場合もあるのではないでしょうか。
 話しは少しそれますが、昨日偶然ラジオで聞いた、音響機器開発のエピソードでも、これまでの常識を疑うことから始まったというような話題が出ていました。同じ「音」を対象にした世界であることが不思議ですね。さらには、造り手の場合には加工性という要素も入ってくるわけですね。
 生意気なようですが、クリエイターにとっての「囚われないこと」や、失敗を恐れない勇気というものを感じます。

 アイチ木材様のページ、楽しく拝見しました。愛知の海沿い(木場)にあるのですね。ギターのボディー材が、すべてカタカナであることに、改めてショックを受けました。また、素材によってずいぶんと価格差があるのも新鮮なことでした。いつかはこうした材の中に、地場の木が仲間入りすることを夢見ますが、だめでしょうか、、、。
 紹介していただいたページはブックマークし、機会があったら参考にさせていただきます。また情報をお待ちしています。

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そまびとたちの奮闘記 「そまびと」とは「きこり」のこと。現代のそまびと=技能職員たちが起業し、模索しはじめました。

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