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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

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次の一世紀へ

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この一週間、目まぐるしく、落ち着いてブログに向かう時間がありませんでした。


 先週末、締切り直前で確定申告。ネットでの申告も3年目となり、ようやく慣れてきて楽にはなったのですが、会計処理そのものに不慣れな部分があって、結局手間取ってしまいました。あちこちから送られてきた源泉徴収の入力に手間取る、というのが今後の課題です。


 土曜日は国民森林会議の総会。記念講演がたいへん刺激的なものでした。
 国際日本文化研究センターの安田喜憲教授(環境考古学)による「確かな未来を創る森の文明原理」と題したお話。今は環境革命の時代で「搾取から循環、市場原理主義の超越、森の文明原理」を考えるために歴史をふり返る、という内容の講演でした。
 「過去に対する責任、未来に対する責任、自然に対する責任」すべてを考えない市場原理主義が日本の林業をだめにしてしまった。背景には強大な文明の力がある。
 森の効用は、国がもっとお金をかけて研究しなければいけない。
 グローバル資本が日本の森を買いに来ている。売買はできても利用には何らかの規制をかけてゆかないと、大変なことになる。
 等々、重要なことばかりで小さな頭の中はパンパンになりました。


 その夜は、このブログにも書き込んでくださる業界関係者と、まずは有楽町の線路下で一杯。そしてなぜか鶯谷(うぐいすだに)へ...。
 久しぶりにお会いする方のライブを聴いたのでした。ホッピーをあおりつつ、自分に一番たりないもの、それは情熱!と知らされました。


 茨城の両親の家に泊めてもらい、翌日曜、ガンガン痛む頭で高速バスへ。仕事を持ち込んでいたのですが、とても手をつけられず、母にもらった「円朝の女」という本を読んでいました。言うまでもなく、幕末から明治へと激動する時代に生きた噺家の話です。当時の民衆思想が活き活きと甦る内容。
 対峙している問題のことを考えると、妙に納得できることが書かれている。このところずっと本業に直結する活字しか見ていなかったので、思わぬ栄養補給になりました。やっぱり親はありがたい。


 月曜から、ようやく雪が減って歩き易くなり始めた現場へ。作業をしつつも地元新聞への投稿締め切りや、逃げた犬の捜索、造林補助金の検査があったりと、なかなか現場一筋の生活には戻ることができず、今日(もう昨日)は娘の卒業式と、信州そまびとクラブの理事会。明日の午後からは久しぶりにきこりに戻ることができそうです。まったく忙しい一週間でありました。


 くどいようですが市場原理主義の限界が、よりはっきりと見えてきたようです。限界という言葉を気安く使いましたが、リーマンショックは序曲に過ぎない。もっと厳しい、ことによると「ヒト」の存亡に関わるような出来事が起こるまで、次の工夫は主流にはならないのかもしれない。
 それでも準備はしておきたいです。それは、何のことは無い、自然への感謝と畏敬を失わず、近くにある山川草木との付き合いを大切にし、自分の生業である林業の基本が何なのかを考えながら働き続けること。そしてできれば、この生業から世間に警鐘を発することです。
 忙しいと同時に、濃~い一週間でした。

コメント

Posted by: つうくん   [ 2010年3月19日 20:54 ]

安田さんの本、たくさん読ませてもらっています。
今ちょうど、”山は市場原理主義と闘っている”を読んでいます。
数年前、”森を壊す文明、森を守る文明”を読んで、かなり衝撃を受けました。それ以来、日本の山、、山村生活、林業へ対する考え方が変りました。日本は、日本独自の森林、林業のあり方を世界に示して行くべきであると思います。

Posted by: こーりきー   [ 2010年3月19日 21:28 ]

お互い・・忙しいですねぇ・・ハハ
でも
きっと今必要なんだと思います
だから頑張りましょう。
ちょっとまだ書けませんが・・
林業に関して、なにかが動き出しています


それから
森を外国に売るのだけは
まずはストップさせないと・・・ねぇ


Posted by: つうくん   [ 2010年3月20日 07:12 ]

すみません。
投稿しても、アップされないので、こっちのパソコンがおかしいのかと思い、3回もアップしてしまいました。
管理人さん、消せるなら消してください。
失礼しました。

Posted by: かなめ   [ 2010年3月21日 07:09 ]

つうくんさま
 ダブり投稿のこと、わかっていたのですが、対応が遅くなってしまいました。
お許しください。
 安田先生のお話は、大変わかりやすく、気候変動の考え方にまで及びました。
講演の後の質疑応答では、「では我々はどうしなければいけないのか」という
話になり、私たち山に関わる者がもっと働かなければならないのではないかと
感じた次第です。
 環境としての山造りはもちろんのことですが、持続可能な資源としての木材
ということを、もっといろいろと工夫して発信する必要を再認識しました。
 久しくお会いしていないので、いちどどこかでゆっくりとお話ししたいですね。

Posted by: かなめ   [ 2010年3月21日 07:10 ]

こーりきーさま
 忙しいのは「必要だから」。そう考えるとグッと楽になります(と言うほど苦しく
感じていたわけではありませんが)。「動き出している何か」楽しみですね。
そろそろお邪魔できるかな…、春の観光が忙しくならないうちに。

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そまびとたちの奮闘記 「そまびと」とは「きこり」のこと。現代のそまびと=技能職員たちが起業し、模索しはじめました。

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