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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

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おのぼりさんのつぶやき

 東京へ出かけることは決死のイベントである。
 目的地を地図で確かめ、地下鉄路線図を確認し、乗り換えのだんどりを反復する。次に、この山間地から出て、目的地に間に合う鉄道のダイヤを調べ、当日の出発で良いかどうかも確認しなければならない。その目的地が私と同世代の東京のビジネスマンならば、目隠しをしてでも歩きそうな都心の官庁街のようなところになればなるほど、下調べは緊張を伴い、精密さを増す。


 この作業をしていてふと思った「もしも自分が若い頃のまま東京に暮らしていたらどうだったろう。これほどの大仕事ではないはずだ。アルバイトで地下鉄を多用していた頃は、23区内の路線図を掌握していたではないか?」 それらの場所へ出かけるために、今ではいつも、ただそこにたどりつくためだけに30分以上の時間を費やし準備をしなければならないのである。


ここから考えは一挙に飛躍する。


 これこそが、中央と地方の温度差なのではないか。自分にとって東京は遠い異世界としてのみ存在している。高速道や新幹線が完備され、情報インフラのマジックで近くなった物理的な距離に惑わされてはいけない。むしろ心と心の間の距離は、人々の往来が不便だった頃よりも比べものにならないぐらい離れているのではないか。ところが、自分が暮す村の人々に影響する多くの政策や制度が、その異世界で創造され発信される。


 数年前に流行った映画にこんな台詞があった「事件は会議室で起こっているのではない、現場で起こっている・・・」。月並みな表現になってしまうけれど、このギャップを埋めることのできる何かを工夫しなければいけない。それがないからこそ、未だ多くの人たちに、この中山間地のかけがえの無さが伝わらないのだ。そしてその伝わらないことの弊害が、実は限界都市に暮す人々の生命の危機に直結している。
 

 自分が登っている枝を、幹のほうから切り離そうとする愚行。すべての模式図が、大都市を中信として、地方に伸び、そして枝先に村々があるような形で描かれるけれど、地方都市や中山間地に蓄積され、はぐくまれているものこそ、国家の幹を形成している基礎なのであり、都市は危うい枝先にかろうじて生きているのではないだろうか。

コメント

Posted by: こーりきー   [ 2008年3月13日 20:50 ]

かなめさんに一票(^^)

本当にその通りだと思います。。

それには我々の方にも工夫が必要ですよね・・・
癒しの森は
そのひとつになれる気がして・・・始めているのですが。
なにか
スピードが欲しいですねぇ

Posted by: かなめ   [ 2008年3月14日 06:12 ]

おやおや、思慮深いこーりきーさんがスピードをお求めとは…。何か深い理由がありそうなお言葉ですね。
制限滑走を好む仲間がいましたが(私には縁のない話です)、彼はリズムを大切にしていたと思います。そして、ポールをくぐるイメージを常に追い求めていました。
もしや、このあたりを求めているのでしょうか。あるいは、イメージはとっくに整っているので、滑り始めてからのリズムを、早く体感したいとか。

何もわからないものの憶測でございました。

Posted by: こーりきー   [ 2008年3月17日 10:00 ]

かなめさん

本当に私も思います
大事なのは
リズムだと。。
いつ・・・。。


私も
よくわかりません・・実は。ハハハハ
何かヒントのある
含蓄のあるお言葉
うれしいです。

ただ・・
なにか
とてつもないスピードで
世の中間違った方向へ
一気に舵が切られ始めている気がします・・・・
森の大切さ
田舎の大切さを
知ってもらう事業・・
少しでもスピートアップしたくなってきました
また
誰かを中央に送り込みたくもなってきました・・ハハ

もっと
一番大事なのは
リズムと
タイミングを見極められるためのゆとり
心のゆとり
だとは
肝に銘じていますが(^^)

それにしても・・・・・・

Posted by: かなめ   [ 2008年3月18日 06:02 ]

こーりきーさんの感じていらっしゃること、よくわかりました。舵が一気にきられている…。
政治への鈍感さや、霞ヶ関への興味の低さゆえ、私はボーっとしておりました。ことはもっと急を要する状況なのですね。

それにしても、
リズムとタイミングを見極められるためのゆとり
心のゆとり

貧乏性の私にはとても難しくて、今では一種のあこがれのようになっております。が、これではいけないのですね。
今から犬の散歩なので、今朝は雑事を考えず、このことを己に言い聞かせます。

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そまびとたちの奮闘記 「そまびと」とは「きこり」のこと。現代のそまびと=技能職員たちが起業し、模索しはじめました。

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