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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

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トロッコの歴史をたずねて

truck.jpg
川上村林業センターに展示されているトロッコ


 久しぶりの休日に、娘から、お勉強の協力を依頼されました。なんでも、かつてこの村を走っていたトロッコについて調べるように言われたとか。


 ひょっとして、小学校の先生は「きこりの娘」と見込んで、こんなテーマを用意してくれたのでしょうか。もしもそうならば、いいかげんな仕事はできません。村の林業の歴史が展示されている林業センターと、かつて木材関係者と鉱山関係者で賑やかな集落のあった、トロッコの発車地点に、娘を案内しました。


 私は、たまたまこの林業界に居て、先輩たちからいろいろと聞いていたので役にたつことができましたが、恐らく、この村で育った私と同年代の人のほとんどが、14.5kmものトロッコ軌道が村中を下っていたことなど知らないと思います。


bridge350.jpg
重力を利用して降りて来たトロッコを出発点に引っ張ってゆくのは、なんと犬!!

 川上村林業センターの資料によれば、林業華やかなりし頃、村には20軒以上の製材工場があったようです。久保ごとに山師たちの飯場が建ち、煙の昇る様は、きっと壮観だったことでしょう。すっかり振るわなくなってしまった業界の者として、いちどそんな様子を見てみたいものです。


 トロッコの出発地点は、そんな製材業者の中でも大手だったY木材の第四工場と呼ばれるところだったそうです。おそらくこの第四工場ができるまでは、木馬(きんま)や架線で集積した原木を、この地点でトロッコに積んで、より里に近い三工場のある集落まで運ぶ必要があったのでしょう。今でも村の年配の方は、そのあたり一体を四工場(しこうば)と呼んでいます。


 木材を積んだトロッコは、自然の勾配を利用して村の下流側へと走って行ったそうです。途中でつり橋等も渡る、大規模なものだったようです。ブレーキをかける人が乗っていたようですが、何かの不具合で勢いあまって脱線したときには、「トンポ(脱線をこう言ったのですね)したぞーっ」と言って周辺住民に応援を求め、大勢で軌道に戻したこともあったと聞きいたことがあります。 


 建材や土木用材はもちろん、燃料やパルプ原料として、木材が国そのものを支えていた頃の大動脈は、今でも林の中にひっそりとその痕跡を残しています。


 山仕事の途中で突然に軌道跡や炭がまに出会ったりすると、それらを利用していた人々が健在なほど最近のことなのに、まるで遺跡にでも遭遇したような感覚にとらわれ、人の世のうつろいの速さに、ある種の異常や怖さを感じずにはいられなくなります。


 この仕事をしていると、「木がその地域で育ち、利用されるスピードや、賄いきれる分量が、その国に暮らす人間の基本になるべきではないかな」と、日々感じます。

コメント

Posted by: hideshi   [ 2006年7月10日 19:39 ]

まさに古き良き、素材生産業が栄えた時代の機材という感じですね。
ブログをご覧いただければ幸いですが、我が古里の匹見町も「索道」を整備し、木材だけでなく、生活物資も搬送していたようです。
実は私のオヤジは山師でした。高知県出身で、匹見に架線集材の仕事で滞在していたときに何故かオフクロと・・・。
こちらの素材生産業が廃れてからは、主に木曽で仕事をしていました。私も10回近く、大桑村(今もこの名称で残っているのでしょうか?)にあったオヤジの飯場に遊びに行ったものです。最後に木曽に行ったのは13年前かな・・・。
家族で、また木曽に行って見たいと思う今日このごろです。
山国育ちの私でさえ、木曽の山々の生き生きしたみどりが、いまだに脳裏に焼き付いているのです!

Posted by: かなめ   [ 2006年7月14日 11:05 ]

 hideshiさま。コメントをありがとうございます。返信が遅くなってしまいすみません。
 ご両親が、架線のとりもつ縁とは、そちらまで飛んで行って、直接お話しをうかがいたいような話題ですね。
 日本中の山から、材木が忙しく運び出されていた頃の、ビジュアルな資料が、思いのほか少ないように感じます。木材生産が「昔のことのように」語り継がれるようになってしまったこと自体、残念なのですが、せめて地域の子供たちには、当時の活況の様子をわかり易く伝えたいものです。彼らのうちの何パーセントかは、山林を親から引き継ぐわけですから。

 hideshiさんのブログにもお邪魔させていただきますね。
 

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そまびとたちの奮闘記 「そまびと」とは「きこり」のこと。現代のそまびと=技能職員たちが起業し、模索しはじめました。

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