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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

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地球温暖化防止の補助事業

 NPOとして事業展開をする中で重要な収入の中に、助成金があります。以前、NPOについて取り扱ったNHKのテレビ番組の中で、NPO大国であるアメリカの学者か誰かが、その収入バランスについて触れていた部分がありました。曰く「健全なNPOは、事業収入、助成金収入、会費収入への依存のバランスが、均等に保たれている必要がある」。 つまり、そのどれもが突出してしまったとき、NPOとしての使命を達成することが困難になるというのです。

 事業収入への依存が突出した場合、その意識は事業収入の顧客へと向かう比率が高くなり、顧客サービスを優先する、言ってみれば稼ぎ優先の普通の企業と変わらない存在になってしまいます。助成金への依存が高まれば、各種の補助金頼みの団体に性格が近くなります。そして、会費収入が突出すれば、公益性よりも、会員である一部の人々へのサービスを重視する団体になる可能性が高くなります。

 ということで、いろいろと難しいことがあるのですが、現時点で事業収入が圧倒的に高い信州そまびとクラブとしては、もっと他の事業のバランスを高める必要がありそうです。今回はそんな課題のひとつでもある助成事業への挑戦としての植林事業を紹介させていただきました。

061026yuhiatari.jpg

 この事業は、長野県地球温暖化防止活動推進センターの平成18年度地球温暖化防止活動支援補助金を受けて実施しました。その名も「地球温暖化防止をめざす植林学習」!!
 ほったらかしておいても「やがて野となり山となる」というこの国の事情をよくご存知の方は、「植林で温暖化防止なんて、国際的な政治取引にのっかっているだけじゃないか」と批判するでしょうが、この事業の狙いは、地域文化でもあるカラマツの苗木生産について、地元の子供たちに知ってもらいたい、というもっと素朴なところにもあるのです。

 今日山に入れた苗木の中には、この子供たちの半数が2年前に種を蒔いて教室のプランターで育て続けてきたカラマツ苗木も含まれています。わずか数十年前までは、その子たちの育つ村が苗木生産の一台拠点であったということを、おそらくこの経験を機に、子供たちの何人かは、家に居る大人と話をしてくれたことでしょう。私にとっては、実はそこが一番やってもらいたかったことなのです。

 えっ? 「自己満足だろう」ですって。すみません。
 でも考えてみてください。この子たちはあと8年もするとほとんどがこの村から出てゆくのです。そして数年経ってある年の盆に生まれ育った家に帰ってくる。そのときにこの山を思い出しフラッと訪れたときにここに森ができていたら…。

 そんな光景を思いうかべながら、おじさんはせっせと鍬の使い方を説明しました。

コメント

Posted by: せんば   [ 2006年10月27日 00:36 ]

かなめさま。
先日は大変お世話になりました。
最近、街中で鳥を見るとかなめさんを思い出します。


『そんな光景を思いうかべながら・・』と、未来に希望を抱くって、
生きるうえでとても大事なことだと思います。
大人になってもそういう希望を持っている人は多くはないと思います。
大沢には、議員さん含め多そうだなと感じましたが。


『国際的な政治取引に・・』確かにそういう意見も、こういうことに参加し始めてから聞くこと、よくありますね。
けれど、おおいに結構じゃないですか!
だって、将来、実際にそれぞれの地域で息づくのはその子供たちですからね。
その子供たちの意識が、現実を見ること、周りを見ること、そして自分の手で何ができるか考え実行することを、重要だと思うようになれば、
こういったかなめさんらの活動の、
何が大事なのか、何を伝えたかったのかおのずとわかってくることだと思います。


と、えらそうにコメントしちゃいましたが、
さっそくもう佐久シック(ホームシックの造語。自作。)です。
自分こそ、いろんな課題をひとつずつクリアしていく努力をしなければ。
佐久シックが深刻になった頃に
またお伺いします。では!

Posted by: こーりきー   [ 2006年10月27日 17:30 ]

今見ています。NHK。
麻生さんもsomakudoさんも映っていらっしゃいます(^^)
かなめさんの髪型が私と一緒・・ハハ
明日、浜田久美子さんがアファンに取材にいらっしゃいます。
麻生さんによろしくです

・・ミズキが浅漬けの香りがするとは・・今度あらためて嗅いでみますね・・ハハハ

いつか一緒に飲みましょう!!。

Posted by: かなめ   [ 2006年10月30日 17:47 ]

佐久シックのせんばさん。
そうなんです。木を植えるとね、将来が楽しみになるんですよ。育林仕事にはみんなそういう楽しみがついてまわります。
実は今回の植樹をした山は、以前に自分で植えたことのある山で、今回は子供たちに、木が絶えてしまった場所へ補植をしてもらったのですが、5~6年前に自分の植えた木がけっこう大きく育っていて…。そんな張り合いを持てるのが、この仕事の良いところなんです。
近日、子供たちからの感想文もアップできるかもしれません。

Posted by: かなめ   [ 2006年10月30日 17:51 ]

こーりきーさん。TV見てくださったんですね。返信が遅くなってすみません。情報番組ゆえ、一番伝えたい林業の事情やら近況を話すことができず、「休日のレジャーに山仕事をしよう」みたいなまとまり方になってしまい、反省しています。
なぜ、もっと制作段階でいろいろなことを言わなかったのか後悔しています。この反省を次回に活かそうと思っています。
そろそろ熱燗の良い季節ですね。そのうちそちらにおじゃましますので、どうぞよろしくお願いします。

Posted by: せんば   [ 2006年11月 1日 01:27 ]

子供たちの感想文、楽しみにしております。
そまびとIさんにも話したのですが、
私も小さい頃、箱根の山の中で遊んだことが、そまびとさんたちと山の中へ入ったときに、
どんどん思い出してきました。
かなめさんの植えた木、子供たちの植えた木、大きく、太くなること、
私も楽しみにしております。

Posted by: かなめ   [ 2006年11月 1日 07:45 ]

せんばさん。子供の頃の自然体験が、大人になって重要な意味を持つ、ということが、もっと世間に筋道立てて紹介されないものでしょうかね。
今の大人たちには、まだ自然の中での原体験を持った人たちが少なくないので、そんなことをあえてかしこまって言う必要はないのかもしれませんが、今の20代以下の人たちには、それを黙っていても理解できる人が急速に減っているような気がしてならないのです。そして、そのことが20年、30年先に大きな障害となって現れなければよいと思っているのです。
せんばさんも、箱根からの血を沸き立たせて、せっせと身の回りに自然好き光線を発射してくださいね。

Posted by: こーりきー   [ 2006年11月 2日 09:16 ]

>子供の頃の自然体験が、大人になって重要な意味を持つ、ということが、もっと世間に筋道立てて紹介されないものでしょうかね。

実は・・ドイツのハイデルベルグ大学の教授が書いた
論文があります。
森で幼児期を過ごすことが将来的にどんなに良いことがあるかというものです。
ただ・・ドイツ語で200ページ。
読める人がいません。
かなめさんの周辺にいらっしゃらないでしょうか?
興味があってただでよんでも良いよと言う人(^^)


Posted by: かなめ   [ 2006年11月 5日 09:50 ]

ドイツ語で200ページですか。
こういうご時世ですから、いずれ商業出版ということになりそうな気もしますが、読んでくれそうな人がいるかどうか心がけておきますね。
明日から、人に行き会うたびに「ところでドイツ語はよく読まれますか」というふうに挨拶します。

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