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森からの宅配便

森林に関わる仕事に就いてもうすぐ20年。日々の泣き笑いをご覧あれ!

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スギの主張

 もうすっかり夏日の毎日です。


都会ではバーゲン時期で街が活気づいてる事でしょう。
吉和では刈り払い機の音で村が活気づいています。


ついに恐れていたシーズンがやって来ました。
夏場の下刈り・・・
一年で最も過酷とされる仕事です。


まずは初級編。
傾斜が緩い山での作業です。

まぁ、下草のよく伸びている事。
6〜9年生のスギなので100cm以上あるのですが
すっぽり下草に隠れてます。

基本は山の下部からジグザグに上部へ向け
刈って進みます。


いざ、生い茂る山の中へ。


相手が新人の私と知ってか

『ここにワタシ、生えてます!!!』と、

一生懸命スギが主張しています。
一振り誤れば、
間違えなく、スパンっと全てを吹っ飛ばすので
慎重に慎重に・・・


地表には切り株あり、岩あり、積み木あり、と
色々な障害物が草中に潜んでます。
テンポよく進むと間違いなくキックバック
(刃が障害物にあたり、反対側に弾き返される現象)
を起こします。


まぁ、しかし。
やはり、やってしまいました。
古株を弾いたかと思うと、すぐ横にあったスギに命中。
スーっとスローモーションで私の肩に倒れかかってきます。
『無念・・・』と言う声がドコからともなく聞こえました。


『はぁ、切ってしまってもせやぁ、ないです。
 又地面に挿しときゃぁ、2・3日青々しとるけぇ
 誰も気付かんですよ。』


今朝、そう言って笑いながら送り出してくれた
熟練作業員の方の声が甦りました。


ごめん。ごめんよぉ・・・


心痛めながらも前進あるのみ。


夕方、作業後の満足感は格別です。
ただの草山だった斜面。
下草を刈る事で現れた、等間隔に並ぶスギ。

隣、近所、互いの身の無事を確認し
気持ちよさそうに風に揺られていました。


     by.ナカシマ アヤ

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森からの宅配便 西中国山地の山あい広島県廿日市市吉和で林業から木工まで、森林にどっぷりと浸かって抜け出せない毎日を送ってます。

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