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森からの宅配便

森林に関わる仕事に就いてもうすぐ20年。日々の泣き笑いをご覧あれ!

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『いい山』ってどんな山?

 G.W 明けから間伐に入っています。

樹齢25年程のスギ。
熟練作業員の方によれば、ほとんど手を入れていない山。
こんな状態です。

090516_0935~01.jpg

ササ・ザツ木が生い茂り、カズラが巻き上げて
いったいスギはどこにあるのやら?
ひたすら切って、切って、切る。
すると、施行後はこんな風景。

090516_1114~01.jpg

今日で三日間、この山を間伐しながら
ずっと、ずっと考えていた。

 『いい山、ってどんな山?』

この山、本当に鳥が多いんです。
休憩時間、チェーンソーの音が止まると
ビックリする位賑やかな鳥の大合唱。
腰をおろして、ぼんやり聞き入ってると
二匹の鳥が近づいて来た。
赤いくちばし、黄色いお腹、青い毛。
初めて見る、とても美しい鳥だった。
なぜかこの二匹、私の回りをウロウロ離れようとしない。

 ・・・もしかして、巣でもあったのかな・・・

先程『ザツ木』と一纏めにしたけれど
イロハモミジ、ヤマサクラ、キハダ、ブナ etc...
この鳥達や、クマや小動物にとっては
今のままの状態で放置する事が『いい山』だったのかもしれない。

 人間にとって『いい山』
 林業家にとって『いい山』
 山に生きるものにとって『いい山』

きっと、同じじゃない。
いったい私はどの『いい山』を残してゆきたいんだろう。

 山にとって『いい山』

を探して行きたい。
一人の林業従事者として。


       by、ナカシマ アヤ




コメント

Posted by: 神戸のキコリ   [ 2009年5月17日 13:57 ]

4月22日書き込みの「田中淳夫氏」にある


> 私の中のそっとフタをして隠してたモヤモヤ感を
一気に掘り返された気分です。


のモヤモヤ感てこの事ですか?


ひとつの林分ですべてを得るのって難しいでしょうね。


拡大造林されるまでは、農用林・薪炭林(いわゆる里山)が、生物の棲家になっていたわけで、現在それを何が代わりをするかが問題なんですね(人がそれを利用しながら維持していたわけであります)


施行方法を研究するには、林研に参加するってのも面白いかもしれませんね。(社長が県の会長なんで必要なし?)

Posted by: こーりきー   [ 2009年5月17日 19:13 ]

きっと、そのとおり(^^)
そして
深い
難しい

何回かに分けて
コメントさせて下さいな
お願いします

Posted by: ナカシマ アヤ   [ 2009年5月17日 21:39 ]

神戸のキコリさんへ


 その通りです。
そして、まだ答えは出ていません。

スギを主人公に育てる山。
ザツ木とスギを共存させて育てる山。
ザツ木をメインに天然更新させてゆく山。

きっと、それぞれその地(山)にあった
施行をしてゆく必要があるんでしょうね。
やってみて、結果が出るのは何十年も先。
それが歯がゆくもあるし、魅力でもある・・・と最近思います。

Posted by: ナカシマ アヤ   [ 2009年5月17日 21:57 ]

こーりきーさんへ


 コメント、いつでもゆっくりお待ちしています。


今朝、安田社長とこの件に関して話しをしました。
恐らく去年の私なら、
『ザツ木を丸々切り倒して、この施行が正しんですかっ!?』
って、社長に噛み付いてたよねって(笑)


確かに多少のモヤモヤ感はありました。
けど、この山はそもそも生えていた天然林を切り、地ごしらえをして、植林してスギを育てようとしている山。ならばいずれは山主さんに黒字で返せる山にした。
スギが育つ環境にしてやらなければ。
きっと、これだけ条件のよい肥えた土地なら又すぐザツ木は生えてくるでしょう。ちょっとスギがお兄さんで、後からグングン追いかけてくるはず。
20年後にはちょうど混交樹林の山になっているかもしれないねって社長もおっしゃってました。さぁ、楽しみだっ!


ただ、ここまで密な山だっただけに風害・雪害を受けないかちょと心配・・・


Posted by: こーりきー   [ 2009年5月18日 09:19 ]

うーーーんと。
安田さんがそばにいるから私なんかがもやもやしているものを書いてみる必要はなさそう(^^)


人が関わる森
それが
大前提。
人を排除すれば
森は
極層林になっていく・・・たぶん。ひどいところでも時間をかけて・・長い時間をかけて。。

そして
癒しの森も
林業として成り立つ森も
里山も
風害雪害を受けない森も
・・おっと、私の言う「森」とは田舎の感覚では「山」と一緒ね・・・

人を排除しない
という元に
ヒトと森の共存
・・私がカタカナの「ヒト」を使うときは「クマ」とかと一緒で獣としての「人」です・・・

大前提にしています

その上で
書いてみたいという気持ちもあります。
よろしくです。
私も
もやもやがとれていけば・・・ハハハハ

Posted by: こーりきー   [ 2009年5月19日 09:34 ]

今日の午後から・・たぶんパソコン開けないぐらいの日が続きますので・・少し。。

ニコルさんが言います。。
多様性のある森が大事なんだと。
これは動物・生物などもさしていますが、きっとヒトにとってもです。
そして
森に不要なものは何もない。
これは人も同じだ。

それはそのまま
癒しの森のコンセプトでもあり
森は全ての人を受容してくれる・・・から
全てが始まっています。
そして
癒しの森ということで言いますと
症状にもよるのでしょうが
やはり多様性のある森が一番です。
モコモコとした森。
緑色の色がいっぱいの森。
紅葉の色もいっぱいの森。
生物が多様で、ドキドキワクワクする森
感じる森
ということになります。
また
こういう森は
光競争をしながらも
陽樹も陰樹もあり
その分
根を張り合い
災害にも強い森だと思われます。
SATOYAMAはもう世界中に広まった言葉ですし
そのコンセプトが注目を浴びていますが
また・・最近ヒトと森の関わりでや
限界集落などでもよく云われますが、
確かにコナラなどを切らなくなったため、傍芽もしないものが多くなり、
そんなのも
カシノナガキクイムシが
多くなった原因などとも言われていますよね。

そう言う意味では
森の入口は広く
いろいろな人と森の関わり方がある方がいいんだと思っています。

そして
この話は林業として
植えた木をなんとかしていこう
これからも植え続けていこう
手を入れた森は手を入れ続けていこう
という
ところは取りあえず横に置いておいた意見です(^^)
それは
アヤさんの方がプロですから・・・ハハ


とりあえず・・
また


Posted by: た~   [ 2009年5月19日 12:06 ]

こーりきーさん
横槍コメントです(汗)


>取りあえず横に置いておいた意見です
横に置いておく必要はありませんよ。
なぜなら、それはこれからの森林業の大きなテーマですから。


人はその昔から木を利用してきました。
山に入って必要な木を必要なだけ・・・
そして、必要な木が奥山になるにつれて
生活している側で何とか手に入れたい。
なんせ、木って重たいですからね・・・(汗)
そんな思いから林業って始まったんじゃないでしょうか?


林業にとって一番大切なものは、豊かな自然だと思ってます。
生物多様性に富んだ自然です。
スギもヒノキも自然の栄養分をいただいて成長してるのですから、
その自然をいかに守るかが重要になってきます。
だから、私たち『林業家』と呼ばれている人達は造林地の中をいかに自然に近づけることが出来るか?を考えています。
(もちろん、そこから収入を得ることも考えていますが。)


そして100年先。
造林地のスギ山に広葉樹が広がって
スギと広葉樹の山になれば。。。
「癒しの森」には使えませんかね?(^_^;)
時には必要な木を利用させてもらいながら・・・


私の『林業論』でした。


あとは、ナカシマがコメントしてくれることでしょう(^-^ )

Posted by: こーりきー   [ 2009年5月20日 22:06 ]

少しだけ・・・


信濃町の森は
じつは73%。ほとんど日本の平均。
案外、山に囲まれているのに空が広いところなのです。
そして
森は・・針葉樹・・主に杉が25%
落葉針葉樹・・カラマツが25%
そして広葉樹が50%です
まあ
癒しの森としては・・たまたま理想的だったと言うことでしょうか・・まあ、良い森だと思えたから始めたわけですが(^^)

そして
その・・森が実は荒れ始めていたのも事実なんです。かの童謡「ふるさと」の森なのにです。
そこで・・森に手を入れたい想い半分もありました。

県の森林税導入や
癒しの森をやっていたおかけで・・里山にも手を入れやすい信濃町は・・受け皿として最適だったらしく
ここのところ随分、森に手も入りだしています。
間伐された森・・ただ、切り捨てではないにしろ、長野県方式の列状間伐が杉の森では主流です。
安田さんのところみたいに手をかけてなんて事はないんです。
それでも・・
やはり
手を入れ始めると
山菜はでますし
昔のようにキノコも出てきます。
これは
人々が森に再び興味を持つ素敵な材料です。
また
すっと見通せる森
これは・・クマとも共存しやすい森とも言えると思います。


先日
有るえらい方がおっしゃっていました。
今の日本はかつてないほどの
森林率なのだと。
こんなに森が繁ったことは少なくとも紀元後になってから今までの日本ではなかったと。
だから
みんなが気づいて、
さらに
やり方によっては
とっても豊かな森になるし
知恵さえ働けば・・アイデアが出てくれば・・
「宝の山」だと。

その通りかも知れないなぁ

漠然と思ってもいます。。

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